「味噌でおにぎり」災害時に心を支える食のコツ 思い出レシピ500通からわかったこと

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震災時の数日間に何をどう食べるか、イメージできていますか?(イラスト:まつもとあやね)
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東日本大震災から間もなく10年。大きな災害が起きたとき、何をどう食べるか。今ぱっとイメージができるでしょうか。

当時は、”避難所ではなく自宅で生活を送っていた方”も多くいました。今回はそうした在宅避難の食事について考えていきます。

さて、災害時であっても、「1週間程度、普段に近い食事や栄養をとれる準備が大切だ」ということを、前回記事で取り上げました。食事のクオリティを上げることは、心を支える効果もあるからです。

「大変なときに、普段に近い食事とか栄養とか、無理でしょ」

そう思う方もいるかもしれません。しかし、災害時の食の記憶を教えてもらう投稿企画「思い出レシピ」には、そんな在宅避難の際にも役に立つアイデアをたくさん送っていただきました。

その500通の中から、在宅避難初期にできるだけ“気を楽にして“乗り切れるコツをご紹介します。

災害時に好んで食べられたものからわかること

以下は、集まった投稿の中で、「災害時に役立ったと感じた食品」について集計したものです。

(データ:NHK)

上位3つにご注目ください。1位 米、2位 冷凍した食品・食材、3位 粉類。これらはすべて「水や火などを使って調理するもの」です。

ここから伝わってくるのは、できるだけ調理した温かい食べ物が食べたい、という気持ちです。しかしこれらは“水”や“カセットコンロ(熱源になるモノ)”がないと調理できず、料理になりません。つまりそれらのアリナシによって、被災時の「食の質」には大きな差が生じます。

そう。“水”や“カセットコンロ(熱源になるモノ)”の備蓄は必須なのです。

具体的には、水は1人当たり1日3リットル(飲み水と調理用を合わせて)。カセットコンロのボンベは1人あたり一週間で6本が国の目安です(ボンベが1本で1時間として、1日3食温かいものを作るとこれくらいの量になるそうです)。

これだけの備えがあれば、お米を炊くことだってできます。アウトドアをする方などはご存じと思いますが、お米は別に炊飯器でしか炊けないものではありません。水とカセットコンロがあれば、なべやフライパン、空き缶でだって炊くことができます。

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