三菱ふそうの「高度運転支援」公道で見えた実力 レベル2の前車追従、車線維持はどれだけ凄いか

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長距離トラックドライバーの視点で自動運転を試してみた

高速道路の試乗は関東圏の東北自動車道を使用した。道路のアスファルト舗装面は見た目はフラットだが、大型トラックで走ってみると実は凸凹が多い。また、場所によっては大型車など重量車の往来によって作られた轍(わだち)が凸凹と重なるため、これらが引き起こす外乱によってステアリングが左右にとられやすい。

大型車のドライバーはそうした外乱に対して、微妙な修正舵をつねに当てながらまっすぐ走らせているのだが、これが疲れの元となり長距離走行になるとボディブローのごとく効いてくる。

定積(最大量の積載)の場合は、車両重量よりも重い積荷となるため、外乱に対処するには大きな修正舵が必要となるが、同時に積荷を崩さないよう丁寧な運転操作が求められる。もっとも大型トラックの場合、車軸の数や車輪の大きさによっても車両の走行性能が違うため一概にはいえないが、やはり積荷が重いほど走行性能を悪化させる傾向にある。

車線の中央を自動で維持できるカラクリ

アクティブ・ドライブ・アシストのうちLK機能は、車載の光学式カメラで車道(対応可能な車線幅は3.2~4.4m)の白線や黄線を認識して、その中央を走らせるようにステアリングに操舵力を加えてサポートしてくれる。ただし、手放し運転はできず、ステアリングセンサーで手放しが検知されると警報音が鳴り響き、手放し状態が60秒間継続するとシステムは自動的にオフになる。

LK機能には副次的な効果として、前述した路面からの外乱に対してドライバーが行っていた微妙な修正舵を自動的に行うため、快適性向上とともに、長距離走行時の安全性を飛躍的に高めることができる。また、スムーズな修正舵であることから、結果的に積荷にもやさしい運転が気疲れすることなく長時間行える。

雨天や夜間など人間の眼では白線や黄線のコントラストがはっきりしない状況でも、車載の光学式カメラはそれらを可能な限り捉え続ける。片側の線がかすれてしまった場合でも、もう片方の線を捉えている場合は車線位置を推測することが可能で、本線上で時折出くわす大きな白ドットの車線境界線もしっかり認識していた。

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