台湾オードリー・タン「ハッカーとしての素顔」 オープンソースとシビックテックへの思い

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台湾Yahoo! 奇摩主催のハッカソン〈Yahoo! Open Hack Day 2012〉に参加した高嘉良(写真左)ら、4人のシビックハッカーたち。賞金5万元を獲得した(出典:オードリー作成 〈萌典與零時政府〉)

ハッカソン(Hackathon)とは、ハック(Hack)とマラソン(Marathon)を組み合わせた造語で、エンジニアやデザイナーらが一定期間、集中して開発作業を行うイベントのことである。IT業界では頻繁に開催されているもので、特定のチームを組み、意見やアイディアを出し合いながら制限時間内に出したアウトプットで成果を競う。

行政ごとの各支出項目とその額について年単位での推移を可視化(出典:零時政府 中央政府総予算)

上の図を見てほしい。これは、行政ごとの各支出項目とその額について年単位での推移を可視化したものだ。たとえば「社会保険」にまつわる総合支出は年間およそ1971億元で、そのうち最も多い支出は労働部管轄の「労働保険業務」のおよそ1454億元。2020年の予算配分は前年比で+17.23%ということが、一目でわかる。 

2カ月に1度、ハッカソンを開催

これをきっかけに、プログラマーの高嘉良(シビックハッカー・コミュニティでは愛称〈clkao〉と呼ばれることのほうが多い)とその妻、作家でドキュメンタリー監督の瞿筱葳(チュー・シャオウェイ、愛称:ipa)が共同発起人となり、〈g0v〉は2012年末に設立された。〈g0v〉の代表的な活動の1つが、2カ月に1度開かれる70~100人規模の大ハッカソン。市民から自発的に議題を上げてもらい、そこに政府の関係者や専門家などに加わってもらいながらオープンな場で討論するというもので、誰でも無料でエントリーすることができる。

2020年10月24日に開催された〈g0v〉ハッカソンの様子。子どもから大人までがリラックスした雰囲気でさまざまなプロジェクトを進行していた。このときも会場に高嘉良の姿があった
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