住宅ローン減税「13年間控除」の意外な落とし穴 「知らなかった」と後悔しないための注意点

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盲点としては「会社都合によるやむをえない転勤」の場合のみ、例外規定が適用されること。たとえば自らの希望で海外へ長期留学するなど、自己都合でマイホームを留守にした場合は救済されない。

こうした背景には企業戦士たるサラリーマンを支援しようという狙いがあった。年単位で自宅を留守にする場合、自己都合では税還付がストップすることを覚えておいてほしい。

住宅ローンを借り換えた場合はどうなる?

続いて、今度は住宅ローンの「借り換え」と「繰り上げ返済」に潜む盲点へ話を進めよう。

住宅ローン減税の適用対象となる住宅ローンは「償還期間が10年以上」でなければならない。と同時に、マイホームの取得や増改築を目的とした借入金でなければならない。ところが、住宅ローンを借り換えた場合、その借入金は既往の住宅ローンを返済するための借入金とみなされる。

そのため、たとえ控除期間が残っていても、住宅ローン減税は打ち切られてしまう。借り換えローンはその目的が、本来の融資目的と一致していないとダメなのだ。こうした住宅ローン減税の複雑な仕組みを正確に理解していないと、予期せぬ落とし穴に落ちる恐れがある。

ただ、ここでも緩和措置が用意されている。借り換えローンが「償還期間10年以上」であることなど、住宅ローン減税の適用対象となる住宅ローンの要件をすべて満たしていれば、借り換え後も税還付は継続される。

柔軟性を持たせ、できるだけ長く税制支援が持続するよう取り計らわれているわけだ。と同時に、借り換えのハードルを下げたいという狙いもあるのだろう。注意点として、借り換えても控除期間は延長されないので(最長13年のまま)、誤解のないよう気を付けてほしい。

では、今度は繰り上げ返済した場合はどうなるだろうか? こちらも繰り上げ返済後の住宅ローンが「償還期間10年以上」かどうかで継続の可否が判断される。

繰り上げ返済には「期間短縮型」と「返済額軽減型」の2種類があるが、期間短縮型の繰り上げ返済を行い、その結果、住宅ローンの償還期間が10年を下回ってしまうと、以降、税還付は終了してしまう。2つのモデルケースで見てみよう。

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