パパとママをフェアな関係にする「お金」の話 親から子へ受け継ぎたい資産とマネーの知識

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この話を聞いたのは私が学生の頃でした。それからはずっと、結婚後も家庭の通帳とは別に、自分用に定期で貯蓄を続けています。このお金は、私自身が自立するために、そして将来のために必要とするお金です。

また保険に入るときも、オンラインではなく窓口に行って相談をしながらでないと気がすみませんでした。家の購入を検討したときも、頭金と月の返済額、変動金利・固定金利、さまざまなパターンをいくつもシミュレーション。夫や不動産会社の人に任せっきりにすることなく、よく話し合い、現実的で無理のない予算組みにゆきつきました。子どもの習い事も、いくらまでかけられるかをシビアに判断して決めてきました。そしてもちろん、こうした私の考えは子どもに伝えています。

いざというとき、あわてないために「自分のお金」を

男性が結婚をためらう理由として、「結婚資金が足りない」「結婚後の生計が不安」というお金の面が大きいという話を聞いたことがあります。また、パートナーとお金の話をしづらいと思っている人はとても多いようです。でも今、ますます変化する情勢を見ながら、どんな生活をするか、どんな家族をつくっていくか、仕事をどうするか、お金をからめながら考えることを避けて通ることはできません(収入や貯蓄額すべてを開示する必要はなくていいと思っています)。

サンタさんにお願いするプレゼントも値段と吟味した昨年のクリスマス。子どもの年齢に合わせて、お金の話題をどのように伝えるか、考えていこうと思っています(写真:Domani編集部)

何かあったらではなく、早い段階から、パートナーとお互いのお金を含めた将来設計を話し合うことができたら。もっと家庭内のジェンダーもフェアなものになっていくのではないでしょうか。

また、パートナーと生活やお金を共有していても、いつどんな理由で自立するときがやってくるか、わかりません。人生や生活に変化があっても、あわてずに対応できるよう、小さいときから考える習慣をつけておくことは、自分を守るためにとても大事なことではないでしょうか。

それにしても、性教育についてもお金についても、現状はどうしても家庭で教えなければならないので、家庭の負担が増える一方ですよね。学校や住んでいるコミュニティ、会社や友人関係などで、お金について考える機会が、もっと増えてくれたらいいなと思っています。

牧野紗弥
愛知県出身。小学館『Domani』を始め、数々のファッション誌で人気モデルとして抜群のセンスを発揮しながら、多方面で活躍中。キャンプやスキー、シュノーケリングなど、季節に合わせたイベントを企画し、3人の子どもとアクティブに楽しむ一面も。今年は登山に挑戦する予定。自身の育児の経験や周囲の女性との交流の中で、どうしても女性の負担が大きくなってしまう状況について考えを深めつつ、家庭におけるジェンダー意識の改革のため、身を持って夫婦の在り方を模索中。
Domani
ドマーニ / Domani

仕事をする女。そして母。ふたつの顔を持つ女性のためのファッション誌です。

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