STAP騒動…日本の科学はダメなのか? 田原総一朗×丸幸弘「日本の科学と教育を変えよ」

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「事に仕える」から「事を仕掛ける」へ

田原:丸さんは、「仕事は『事に仕える』ではもうダメだ」という持論も持っていますね。

:そうですね。うちの社員にもよくそう話しています。20世紀は言われたことをちゃんとやっていればOKだったと思います。でも、それは経済が右肩上がりだったから。ひとつのテクノロジーやアイデアで30年もつ時代は終わっています。新しいアイデアを考え、仕掛け続けることこそが「仕事」になったと思うんです。

田原 総一朗(たはら・そういちろう)
1934年、滋賀県生まれ。早稲田大学文学部卒業後、岩波映画製作所入社。東京12チャンネル(現テレビ東京)を経て、77年よりフリーに。活字と放送、ネットなど幅広いメディアで活躍。2002年4月より早稲田大学特命教授として大学院で講義をするほか、次世代リーダーを養成する「大隈塾」の塾頭も務める。『日本の戦争』(小学館)、『塀の上を走れ 田原総一朗自伝』(講談社)『40歳以上はもういらない』 (PHP新書) など著書多数。

田原:アップルや、グーグルなど新しいアイデアと仕掛けは、アメリカの企業からばかり生まれている印象もあるね。

:教育の仕組みが異なっているからではないでしょうか。自分のアイデアが世界を変えることができる、ということを体感させる新しいカリキュラムの開発などに、先生方も取り組み続けている。3年後には今の教えている内容が陳腐化するかも知れない、ということに彼らは早くから気がついている。日本ではようやくこれから、という段階なのに。

絶え間なくアイデアを提供し続ける、その習慣を定着させることが、これからの強い会社を作ることだと思うんです。

田原:日本だと孫正義が面白いけどね。彼を日本で最初に取材したのは僕なんだよ。まさに麹町のガレージみたいな場所で会社を興していた。そこで「会社案内に推薦文を寄せてくれ」ってお願いされて、写真入りでコメント寄せてるんだよね。

:孫さんはすごい人ですよね。きっといい意味で「怪しい」人なんだと思います(笑)。有り余る情熱と世界を見る高い視点。やはりあこがれの存在です。

田原:あと彼は決定がホントに早い。その場で役員に電話して、調査が必要ならすぐアメリカに飛べって言ったりする。

:最先端の情報を把握しておくことの大切さを、何よりも理解されているのだと思います。僕たちも、雑誌を持ち取材を続けることで、つねに最先端にリーチできるように心掛けているつもりです。

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