「日経平均3万円達成」後の株価はどうなるのか 「6つの記念日」から今後の相場を考えてみよう

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さらに⑥についても同じだ。18日はTOPIX(東証株価指数)が前場で0.5%以上下げたが、日銀は「暗黙の了解」を破る形でETFの買い入れを見送った。「ワクチン接種が始まったばかりの日本で、日銀の緩和政策が変わるはずはない」というのが大半の投資家の見方だが、テーパリング(緩和縮小)への変化の兆しの「記念シグナル」とも取れる。

お金の流れが不変なら相場も不変

前回の本欄で、2020年12月時点の日銀の国内株保有残高が初めてGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)を超えたことを話題にしたが、相場の急所でもある「世界唯一の株を買う中央銀行」の出方は、記念日にするには十分だ。

筆者の師匠である石井独眼流(立花証券創業者の故石井久氏)からは、市場のごくわずかな変化を聞き漏らさぬよう「針の落ちる音を聞け」と言われた。

さらに石井独眼流の師である東洋経済新報社にゆかりのある故高橋亀吉氏は「変化を知れ、変化に気づけ」と常に言っていたそうだ。つまり自称ではあるが、筆者は高橋亀吉先生の孫弟子である。

この「2人の言いつけ」は相場観測の基本としてしっかり守っているつもりだ。これら6つの記念日は、流れの変化の兆しなのか、それともさらなる大相場の通過点なのか、しっかりと判断したい。

相場格言では「もうはまだなり、まだはもうなり」と言われるが、筆者は「まだ相場は上だ」と見る。お金の流れが今すぐ変わるとは思えないからだ。お金の流れが変わらなければ相場の流れも変わらない。

アメリカの各連銀総裁の発言にもあるように、すぐに金融政策がテーパリングに移るとは思えない。日本においても昨年3月のコロナショックの後の代表的な通貨供給量の指標であるM3(現金や銀行などの預金)は、本年1月までに111兆円余りも増えている。もちろん、この莫大な資金供給の流れの一部である日銀ETF買いの推移には注意が必要だ。

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