不安一色から静音に一変、パナソニック総会

前期黒字浮上した津賀体制が目指す復活のシナリオ

――パナソニックは(事業間で連携する)「クロスバリュー」を掲げているが、それによってどうよくなったのか説明してほしい。

津賀社長 クロスバリューを掲げる理由の一つは、事業部基軸の経営に戻るに当たり、事業部単独の利益を最大化することで、事業部間の連携が進まないリスクがあったため。もう一つの理由は、BtoB(法人向け事業)にシフトするに当たり、自動車メーカーや政府関係、財閥系などの大きなお客様に対し、パナソニックの一事業部としてではなく、大きなパナソニックとして話をするためだ。

 より大きなお客様の役に立つためには、事業部や地域、社内という枠を超え、社外のパートナーと連携していく姿勢が重要。ただ(クロスバリューの成果は)短期的には目に見えにくい。パナホームと(住宅分野の社内カンパニーである)エコソリューションズ社との連携で、新しい家の商品が出てきたとか、(デジタル家電部門の)AVC社の技術を使って自動車関係の受注が取れたとか、着実な手応えは感じている。

 東南アジアやインドに注力

――パナソニックの海外戦略は遅れているのではないか。

山田喜彦副社長 わが社が定義する「海外戦略地域」とは、東南アジアやインド、中近東、アフリカ、中国などのこと。この地域の1人当たりの個人所得は、日本の1960年代から1970年代前半程度の水準。今から大きく飛躍していこうという国が多い。

すでに東南アジアに関しては(白物家電の社内カンパニーである)アプライアンス社が、地域のニーズに合わせ、現地生産を行っている。インドについても、個人向けだけでなく、法人向けも含めて新しい取り組みをやっている。中国もリスクとのバランスを考慮し、成長に注力している。決してパナソニックの海外戦略が遅すぎるとは考えていない。積極的に攻めていきたいと考えている。

シニアや海外に照準をあてるパナだが…(撮影:ヒラオカスタジオ)

――並み居る役員が全部男性。社外取締役に(政策研究大学院大学教授の)大田弘子氏の名前があるだけだ。役員候補の女性はいないのか。

石井純常務 当社ではとりわけ女性の能力を活かすことが事業発展には重要と考え、2001年より「女性かがやき本部」を設立し女性登用を推進してきた。たとえば白物家電分野では、美容家電のマーケティングや商品開発など、女性の活躍の場が広がっている。海外でもインドでの新規事業のメンバーを社内公募したら、女性の応募があり、すでにインドで活躍している。現在、女性の管理職は約350名。今後、ますます女性の力を成長の起爆剤としていきたい。

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