「グループ一丸となって信頼回復に取り組む。株主の皆様にはご理解とご支援をお願いいたします」――。こう言って役員一同が壇上で頭を下げると、株主からは拍手が起こった。
6月26日、水産最大手のマルハニチロは、東京都内で株主総会を開いた。元グループ会社のアクリフーズで昨年末に発覚した、冷凍食品への農薬混入事件に関する質問が相次いだが、大きな混乱はなく淡々と終了。出席株主数は2414人(昨年は1668人)、所要時間はおよそ1時間40分だった。取締役選任など3つの議案も可決された。
総会前には検証委の厳しい指摘
総会に先立つ5月。大学教授等によって組織された第三者検証委員会は、同月末に最終報告を行い、グループのさまざまな問題点を明らかにした。
たとえば、グループのトップであったマルハニチロホールディングス(現マルハニチロ)のグリップが弱く、アクリフーズがほぼ単独で動いたことが農薬混入発覚の遅れにつながったこと、また内部犯行の可能性を考える意識が欠如していたことなどが挙げられた。「食品提供者でありながら、消費者への責任感が不足している」とも指摘され、その内容は厳しい。
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