読んだ本の内容を「忘れない人」の秘密の裏ワザ 記憶力日本一が教える100%忘れない読書のコツ

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本を読んでも内容を忘れてしまう原因とは? どんなふうに読書をすれば内容を覚えておけるのでしょうか(写真:マハロ/PIXTA) 
コロナの影響で外に出られず、読書を始めた人もたくさんいるでしょう。でも本を読んでも、すぐに内容を忘れてしまう……。自分を高めようと読書に励んでいても、内容を忘れてしまうのでは意味がありません。では、本を読んでも忘れてしまう原因は何なのでしょうか?
それは「文字を追っている」からです。反対に本は「イメージ」で読めば100%忘れません――。日本記憶力選手権で6年連続日本一に輝き、世界記憶力グランドマスターの称号も持つ池田義博氏はそう言います。『一度読むだけで忘れない読書術』を上梓した同氏に「忘れない読書」のコツを聞きました。

脳は文字を4時間で50%忘れる

体全体に占める脳の重さは体重の約2%にすぎません。しかし脳が消費するエネルギーは体全体のエネルギーの約25%、つまりおよそ4分の1にも及ぶのです。

何かを覚えるという作業は脳にとって、とてもエネルギーを要する仕事なのです。ただでさえ大量のエネルギーを消費するところにもってきて、さらに働かされたら脳にとってはたまったものではありません。

脳研究者の池谷裕二氏によると外からの情報、例えば目に見えるもの、聞こえるもの、香り、手触り等々、それらを漏れなく脳が記憶していくとしたら5分以内に限界になると著書の中で紹介しています。

そんなわけで脳はできるだけ、ものを覚えないようにしているのです。要するに脳は省エネ思考でできているというわけです。そこで、節約家である脳はよりエネルギーを要する「文字」の吸収をとにかく嫌がるのです。

そうはいっても文字や文章をまったく覚えられないことは当然ながらありません。仮にそのままの形で覚えたとしたらその記憶はその後どうなってしまうのでしょうか。このことを実験で確かめた研究者がいます。

ドイツの心理学者であるヘルマン・エビングハウス博士は、単語を覚えたときどのくらいの速さで忘れていくかを調べました。すると、仮に10個の単語を何の工夫もせずそのまま丸暗記したとしたら、覚えてから4時間後には半分の5個程度、つまり覚えたものの50%は思い出せないということだそうです。

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