「男に産休?」と茶化す人が知らない超大事な話 赤ちゃんとの触れ合いが「父親になる」第一歩だ
さらにさまざまな実験の結果、子どもの匂いを嗅ぐ経験とスキンシップ経験の両方が揃うと、父親マウスの脳の中に新しい脳細胞がつくり出されるらしいことを、研究者たちは突き止めています。鼻がきくマウスだから匂いとスキンシップなのであって、人間であれば視覚や聴覚もカギになるかもしれませんよね。
つまり、ただ立場として父親になるだけではダメで、父親として子どもと触れ合うことで、父親として覚醒するらしいのです。
数々の取材経験を踏まえ、私は以前から子育て講演会などで、「父親の役割などと難しいことを『考える』のではなく、とにかく赤ちゃんと『触れ合う』ことが大事」とお伝えしてきました。それが、脳科学的にも正しい可能性が高いようなのです。
というわけで、パパスイッチをONにするためには、理屈で自覚を促すよりも、パパと赤ちゃんをベタベタ接触させることが重要なんです。
パパの五感をフル稼働して赤ちゃんを感じる
とにかく抱っこさせて、匂いを嗅がせて、アイコンタクトさせて、泣き声を聞かせて、パパの五感をフル稼働して赤ちゃんを感じてもらう機会をできるだけ早い時期にたくさんつくるようにするといいでしょう。
また、2013年に金沢大学の脳細胞遺伝子学者らが発表した研究結果では、母マウスが何らかの働きかけを行うことで父マウスに父親としての自覚をさせるのではないかという可能性が示唆されています。(Displays of paternal mouse pup retrieval following communicative interaction with maternal mates/nature communications/2013年1月8日)
子どもが産まれてすぐに子どもから父マウスだけを隔離した場合と、父マウスと母マウスを一緒に隔離した場合とを比べると、独りだった父マウスは子育てをしようとしないのに、母マウスといっしょだった父マウスは子育てをするようになったのです。
実験チームは母マウスがフェロモンや超音波の音声などの何らかの方法で父マウスに子育ての必要性を伝えているのではないかとしています。
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