糖尿病の人が「認知症」に2倍かかりやすい衝撃 気づかないままの人も実はたくさん存在する
糖尿病で最も厄介なのは、合併症です。失明の危険がある糖尿病網膜症、腎臓の機能が衰える糖尿病腎症、手足がしびれる糖尿病神経障害を、3大合併症と呼びます。中でも恐ろしいのが糖尿病腎症です。
老廃物をろ過する腎臓の不調は、全身の不調に直結します。注意すべき症状は乏尿(ぼうにょう)です。尿が出なくなると、体外へ排出されるべき老廃物が身体に溜まってしまうからです。
腎不全が悪化すると、人工透析が必要になります。血液から老廃物や余分な水分を取り除く治療を受けるため、ほぼ1日おきに半日ずつ横になっていなければいけません。余命が短くなってしまうし、活動性が低下するので、脳の老化に直結します。
脳はさまざまな攻撃にさらされる
このように、糖尿病になると、脳はさまざまな攻撃にさらされるのです。 国内の糖尿病の患者数は1000万人、予備群も同じく1000万人と言われます。症状としては、喉が渇く、よく水を飲む、尿の回数が増える、体重が減る、疲れやすくなる、などがありますが、血糖値がかなり高くならなければ顕在化しません。気づかないまま糖尿病になっている人が、実はたくさんいるのです。
血液検査では単なる血糖値ではなく、HbA1c(ヘモグロビン・エーワンシー)という数値を見ることが大事です。通常の血糖値は日ごとの食事内容で変化しますが、すべての血糖値に対する糖化ヘモグロビンの割合をパーセントで示すHbA1cは、過去1~2カ月の血糖値を反映するからです(*糖化ヘモグロビン:血液中のヘモグロビンにグルコース(ブドウ糖)が非酵素的に結合したもの)。
また、血管の状態を調べます。心電図で動脈硬化を見ることと、血液のドロドロ度を調べることが肝心です。糖尿病の原因は、食べすぎ、お酒の飲みすぎ、間食や夜食などの不規則な食事、運動不足、肥満などの不摂生です。遺伝的な要因もあります。
治療には専門的なアプローチが必要ですが、経口薬やインスリンが安易に処方されやすいのが現実です。しかし、きちんと専門医に診てもらえば、悪化させずにすむ治療法が見つかります。
すでに糖尿病がある人は、HbA1cを正常範囲に戻す治療を受け、血糖値を適正な範囲にコントロールするための食事指導を守り、適切な運動を行うことが必要です。食後に散歩をすると、血中に酵素が出てきて、糖分を細胞が吸収してくれることもわかっています。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら