「猫弁護士」語るズーム法廷で珍事が起こった訳

フィルターが外せず、オモシロ動画の殿堂に

リモート裁判で猫のフィルターが外せず一躍有名になった弁護士、ポントン氏が”あの日”のことを語った(写真:YouTubeより)

それはどこにでもある民事没収事件の審理だった。弁護士が猫であることを除いては――。

通常、猫に法廷弁論は許されていない。猫の正体は、テキサス州プレシディオ郡の弁護士ロッド・ポントン氏。テキサス州第394区地方裁判所が行ったリモート裁判で、ビデオ通話システムZoom(ズーム)の猫フィルターを外せなくなっていたのである。

「BBCパパ」と並ぶケッサク

動画は瞬く間にネットで大人気となった。同様のオモシロ動画としては、イギリス公共放送BBCの報道番組に出演中の大学教授の部屋に子どもがちん入する「BBCパパ」が古典的ケッサクとして殿堂入りしているが、猫弁護士の動画もその仲間入りを果たした。コロナ禍で苦しむ世の中に、無害な笑いが注入された格好だ。

ポントン氏はかなり恥ずかしかったはずだが、その声は明るい。「多くの人々が苦しい思いをしている。そうした中で皆さんにつかの間の笑いを提供できるのなら、喜んで犠牲になりますよ」。2月7日午後、同氏は電話取材にこう語った。

ネット上で共有された動画は1分にも満たないが、コメディーは秒単位で展開していく。綿密な台本が存在するのではないか、と疑いたくなるくらいの完成度だ。

動画はロイ・ファーガソン判事がポントン氏にこう呼びかけるところから始まる。「ポントンさん、フィルター設定がオンになっているようですが」。

「あああ」と声を上げる子猫姿のポントン氏。そのさみしそうな目は、恐怖と恥、そして哀れっぽさでいっぱいだ。「判事、聞こえますか」と同氏は尋ねるが、問題は音声ではない。

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