「猫弁護士」語るズーム法廷で珍事が起こった訳 フィルターが外せず、オモシロ動画の殿堂に

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画面上で展開される不思議な光景。いったい何が起こっているのか確認しようと、別の弁護士H・ギブス・バウアー氏が眼鏡をかけて画面に顔を近づける。自身が「脇役」となったことを無意識のうちに察知したのか、同氏はネクタイの結び目を調整し、まじめくさった表情をキープする。

画面の別の枠に映っているジェリー・L・フィリップス氏は、表情一つ動かさない。猫にまったく動じていないようだ。ポントン氏が続ける。「解除する方法がわからないんです。ここにいる助手ががんばって(解除しようとして)いるのですが」。

審理を前に進めようと、ポントン氏はこう提案する。「私としては、このまま進めても構いません」。そして、子猫姿で言う。「ここにいるのは私です。猫ではありません」。

ここでフィリップス氏は顔を上げ、くすりと笑った。ファーガソン判事は、私は猫ではない、と訴えるポントン氏にこんな言葉を返す。「そのようですね」。

この審理にテキサス州の代理人として出廷していたポントン氏は取材に対し、秘書のパソコンを使っていたと話した。秘書はあまりの恥ずかしさに、いたたまれない様子だったという。

判事が動画を拡散

ツイッターを使っていないポントン氏は当初、動画が世界的にバズっていることに気づいていなかった。それを知ったのは、審理終了から1時間とたたないうちに、さまざまなメディアから取材の電話が相次ぐようになったためだ。動画は裁判所のユーチューブページにアップされ、そのリンクをファーガソン判事もツイートしていた。

結局、この喜劇が続いたのは1分未満。ポントン氏はフィルターをオフにする方法を見つけ出し、裁判はいつもの光景に戻った。「歳をくった、あまり面白くもない私の顔が現れて、審理は続行されたというわけです」とポントン氏は話した。

(執筆:Daniel Victor記者)
(C)2021 The New York Times New Services

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