文章がヘタな人は説得力のある構成を知らない できるビジネス文書をつくるためのコツ3選

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③「文章の見た目」を大事にする

説得力を増すための3つめのポイントは、「文章の見た目」にこだわることです。

見た目とは、紙面、誌面、画面の字面(文字を並べたときの印象)のこと。

100冊中36冊に、文章の見た目を整えることの重要性が書かれていました。

普段、文章を書いたり書き方を伝えていたりする立場から正直にいうと、「文章の見た目」を大切だという人がここまで多いのは、意外でした。

文章のプロの多くが「内容はもちろん、見せ方が重要である」と指摘しています。

なぜ「見た目」が説得力につながるのでしょうか。それは、「見た目」が「文章を読む気」につながるからです。

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文字がぎっしり詰まっていて、段落分けも余白もない文章を想像してみてください。忙しい仕事のなかでは、読む気がすっかり失せてしまうと思いませんか?

漢字とひらがなの使い分けも「読む気」を左右します。

漢字が多いと文字の詰まりが助長されたり、堅苦しい印象になったりするため、さらに読む気が失せてしまいます。

「漢字よりもひらがなを多く」したほうが、親しみやすくてわかりやすい文章になります。

話のまとまり(段落)ごとに改行を入れたり、空白行を入れたりすることで、文章をパッと見た瞬間の認識のしやすさが改善します。

文字の読みやすさや頭への入ってきやすさも変わるので、説得力につながります。なお、「読みやすい文章の、ひらがなと漢字の割合」については、「ひらがな7、8割」「漢字2、3割」が、プロの総意でした。

説得力は、人を動かし、仕事を進めるエネルギー源

説得力を高めるコツとして、

1 「結論を先」に言う
2 「形容詞や副詞をなるべく数字に置き換える」
3 「文章の見た目」を大事にする

の3つをご紹介してきました。1と2は、文章に限りません。口頭での報告やプレゼンなどでも意識すると、説得力を増すことにつながります。つまり、見逃されがちなコミュニケーションの基本とも言えるのです。

藤吉 豊 文道代表取締役

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ふじよし ゆたか / Yutaka Fujiyoshi

有志4名による編集ユニット「クロロス」のメンバー。日本映画ペンクラブ会員。編集プロダクションにて、企業PR誌や一般誌、書籍の編集・ライティングに従事。編集プロダクション退社後、出版社にて、自動車専門誌2誌の編集長を歴任。2001年からフリーランスとなり、雑誌、PR誌の制作や、ビジネス書籍の企画・執筆・編集に携わる。文化人、経営者、アスリート、グラビアアイドルなど、インタビュー実績は2000人以上。2006年以降は、ビジネス書籍の編集協力に注力し、200冊以上の書籍のライティングに関わる。大学生や社会人に対して、執筆指導なども行なっている。(※「吉」の字は正しくはツチヨシ)

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