文章がどうもうまく書けない人のための処方箋

目的と読み手を定め、素材を順番に並べよう

「見聞きした話を読者に伝える」と考えてみるといいでしょう(写真:golubovy/iStock)

文章が思うように書けない、と悩む人は少なくない。とにかく時間がかかる。書こうとしたら書くことがない。長さにひるむ。読みづらいといわれる。伝わらない、刺さらない……。

私はフリーランスで文章を書く仕事をして27年になるが、中でもよく相談されるのが、「どうすればうまく構成ができるのか」だ。そしてこんな会話が、いろんな会社の社内で繰り広げられたりしているのではないか、と想像している。

上司「社内報の自己紹介エッセイ、まだ悩んでるのか」
部下「はい、うまく起承転結に落とし込めないんです」
上司「無理に起承転結に落とし込むことはないだろう」
部下「いや、でも、文章といえば、起承転結じゃないですか。それ以外だったら、どうやって構成すればいいか、わからないんです」
上司「そもそも、何のためのエッセイなんだ?」
部下「なんか、社員について知ってもらう、ということらしくて」
上司「それで起承転結にできたら、何かいいことがあるのか」
部下「……」

「起承転結」を無理やりつくらなくてもいい

書く内容(これを私は「素材」と呼んでいる)は、ある程度集まっているが、それをどんな順番で並べて構成していけばいいのか、わからない。実はまじめな人ほど、この悩みを抱えてしまっている。

というのも、構成といえば、「起承転結」など、子どもの頃に教わった文章のセオリーに強く影響されてしまうからだ。

「書き出しがあって、展開があって、転機があって、結論に至る。そんなストーリーで作文を作るといい」と教わったわけだが、このセオリーになんとか合わせようとして頭を悩ませてしまう人は少なくないのだ。

もちろん、起承転結でうまく書けるケースもないわけではないが、とりわけビジネス文書の場合、多くは最初に結論を伝える必要があるケースが多い。最後に結論をいうことになる起承転結は、ビジネスとの相性がそもそもよくないのだ。では、どうするか。

拙著『文章の問題地図』でも詳しく解説しているが、まず、やるべきは、素材を「見える化」することである。書こうとしていることは、ぼんやり頭の中にあって、それを並べ替えて書いていけばいい、と考える人も少なくないが、ぼんやりと頭の中にあるままでは、構成もぼんやりとしたままになってしまう。

書く内容を「見える化」しないまま構成しようとすると、書き慣れている人でもスムーズにはいかないのである。

次ページ書く前に内容を一度、箇条書きにして抜き出してみる
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