人間を襲う外敵と戦う「細胞」の超シビアな現実 そもそも「免疫」とはいったい何なのか
免疫は外敵を体から排除する仕組みのこと
昨年から今年にかけて、ニュースのみならず日常会話でも「免疫」や「抗体」という言葉をよく耳にしますね。
とはいえ、免疫とは、そもそも何でしょうか。何となくわかっているけれども、正確に説明できない。そんな言葉の1つではないでしょうか。
免疫は、簡単にいうと外敵を排除して体を守る仕組みです。
本当は、免疫にはがん免疫のようにがん細胞をやっつける免疫もあるし、移植免疫といって他人の組織や細胞を排除する免疫もあります。がん細胞は本来自分の細胞だし、移植した組織や細胞は正確には敵ではありません。つまり本来は、「正常な自己」と「非自己」や、がん細胞のような「異常な自己」を見分ける仕組みが免疫なのですが、ここでは混乱しないように外敵の排除とします。
外敵とは病原体や寄生虫のことで、病原体は大きくわけて3種類います。①ウイルス、②細菌、③真菌・原虫、です。
ウイルスは、実は生き物かどうか怪しい存在です。生き物とは自力でエネルギーをつくり、子孫を残す能力が最低限必要です。ウイルスは、その能力はありません。細菌は生物ですが、ウイルスは生き物ではないともいえます。
細菌は、ボツリヌス菌やレンサ球菌などです。一方、真菌はカビや酵母のことで、真核生物です。
真核生物は、酵母からヒトまで大きなグループをつくっています。原虫やカビも真核生物に属します。原虫というのは、昆虫ではなく、原始的な動物です。マラリア原虫が有名です。
寄生虫はそれよりずっと大きく、肉眼でも観察される生き物です。もちろん真核生物です。
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