総合商社、コロナ禍の病院経営で問われる底力

アジア等で展開、感染管理や高度治療で差別化

三井物産が出資したアジア最大の民間病院グループ「IHHヘルスケア」の病院(写真:IHH)

幅広い産業分野で事業を展開する商社が、医療ビジネスへの取り組みを強化している。これまでも医療関連資材や福祉用具の取引に携わることはあったが、近年は特に病院運営事業に参画する企業が増えている。

総合商社の双日は2020年5月、トルコのイスタンブールに同国で最大規模のイキテリ総合病院をトルコ建設大手のルネサンスグループと共同で開院した。

【2021年2月8日18時01分追記】イスタンブールに関する記述を一部修正しました。

大手総合商社の一角、三井物産もマレーシアやシンガポールで病院運営事業を行うアジア最大の民間病院グループ「IHHヘルスケア」に約2300億円を追加出資し、2019年3月に筆頭株主となった。国内商社の中でいち早く病院運営に取り組んだのはトヨタ自動車グループ系の豊田通商で、2014年にセコムグループと共同でインドのバンガロールにサクラ病院を開院している。

ヘルスケア事業は着実に成長

各社が病院経営にこだわるのは、ヘルスケア分野は成長が見込める事業領域で、かつ景気の変動に左右されにくいためだ。

三井物産が出資した2011年当時、IHHの病院数は16だったが、その後のM&Aを通じて80病院を擁する規模に成長した。三井物産ヘルスケア・サービス事業本部の大芝芳隆戦略企画室長は、「アジアは人口増加や中間所得層の拡大、慢性疾患の増加を背景に、今後も高成長が見込まれる」と期待を寄せる。

三井物産によると、2016年に東南アジア、中国、インドにおける医療費の合計額は7100億ドル(約74.5兆円)だったが、2030年には3兆1000億ドル(325.5兆円)へ、4倍強まで拡大する見通しだ。

これまで鉄鉱石やLNG(液化天然ガス)など資源事業で大きく稼いできた三井物産だが、足元では資源価格下落の影響をまともに受けている。2021年3月期の純利益は2700億円を見込んでおり、前期比3割減となる。

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