早稲田や慶応は?有名大の「卒業生の年収」事情 大手に行くか、やりたいことを貫くかの違いも

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年収ランキング データは、転職・就職のための情報サービスを提供するオープンワークから。2019年7月時点で集計。サービスに登録のあった年収および出身大学のうち、50件以上のデータがある100大学、1万8651人を対象に、各大学の年収と年齢の分布から30歳時の想定年収を算出している。小数点以下は四捨五入。同じ年収で順位の違うものは、小数点以下の数字による(週刊朝日2021年2月5日号より)
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私大のランキングから見ていこう。最も高かったのは慶應大の727万円で、私大では唯一、700万円を超えた。ライバルの早稲田大(654万円)には70万円以上の差をつけた。就活塾「ホワイトアカデミー」(東京)を運営するアヴァロンコンサルティングの竹内健登社長が指摘する。

「慶應はビジネススクールのような校風で、年収の高い大手企業に行くことが人生の成功と捉えるような向きがあります。他方で、早稲田は自分のやりたいことをやる気風が強いです」

実際、慶應大卒業生の2019年度の就職先を見ると、東京海上日動火災保険が94人で最多。そのほかに楽天80人、三井住友銀行63人、アクセンチュア44人など、年収の高い企業が多い。

3位には国際基督教大636万円が入った。早慶に次ぐ難関大として位置づけられる4位の上智大634万円、5位の東京理科大619万円を上回った。学部学生3000人程度の小規模の大学で、幅広く学問を学んでいくリベラルアーツ教育を特徴としている。秋篠宮家の眞子さま、佳子さまが進学したことでも知られる。

関心のない仕事でも自分なりの学びを見つける

卒業生は日本アイ・ビー・エム、PwCコンサルティング、電通、日本放送協会など、高収入が見込めるグローバル企業や日本を代表する企業・団体に幅広く進んでいる。大学の担当者は言う。

「自分の興味関心を中心に据えて、幅広く学ぶ姿勢が身に付くのが本学の強み。関心のない仕事を任せられても、自分なりの学びを見つけて取り組む。そうした意識の差が年収にも表れているのではないでしょうか」

7位は関西から同志社大が596万円。8~10位は明治大587万円、立教大584万円、青山学院大575万円と、近年人気が集まる大学が僅差(きんさ)で並ぶ。この上をいくのが6位の中央大596万円だ。同大キャリアセンターの池田浩二副部長は、学生の強みについてこう語る。

「まじめな学生が多い。(都心から離れた)東京・八王子という立地もあり、地方出身者が多く集まっているのもその要因でしょう。会社の中で積み上げて成果を出す点では、ほかのGMARCH(学習院・明治・青学・立教・法政)の学生に負けない自信があります」

(本誌:吉崎洋夫)

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