大きな"インパクト"こそベンチャーの使命 ラクスル・松本恭攝CEOと語る(上)

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伊佐山:最後は、われわれが持っている大企業とのチャネルをうまく使って支援すれば、大きなビジネススケールにできるからです。ラクスルのビジネスモデルは、一般消費者向け以上に、さまざまな大企業のコーポレートユースがカギを握る。そこでわれわれが持つ大企業とのチャネルを使えれば、大きな可能性があると思ったからです。

「500億円以下の上場は認めない」

――当時、伊佐山さんとはどのような話を。

松本:私たちは昨年10月から資金調達をしようと40近く投資家回りをしました。伊佐山さんとはその中でもお話をさせていただいたのですが、話し終わった後、とても強く印象に残ったことを覚えています。

これまでの投資家の方々とは、私たちが調達したラウンドだと「どれだけソリッドなビジネスができるのか」「きちんと事業化できるのか」「マーケットサイズはどのくらいか」といった細かな部分で突っ込んだ話をさせていただくことが多くありました。

ですが、伊佐山さんから言われたのは、「500億円以下の上場は認めない」ということ。大きい会社をつくるためにどれだけ思い切れるか、そのために資金提供するというベンチャー投資の王道的なスタンスの話をしていただきました。500億円での上場がミニマムで、そのために上場時期がたとえ遅れても構わないという。出資を前提としたときに、こうしたスタンスをとる人はこれまでいませんでした。

だから、「シリコンバレーではこれがスタンダードなんだ」と衝撃を受けたのです。それは本当に衝撃的で、こういう視座、こういう時間軸の取り方、投資の仕方を見て、身をもって世界基準を体験しました。

私たちも上場を目指して事業をしているわけではありません。上場は事業にとってはファイナンスの世界。それよりも「世の中に大きなインパクトを出していくこと」を考えています。私たちは、日本の印刷業を変えるということに全力で取り組み、インパクトを出したいと思っていたので、そのための“志の高さ”を求めてくださった伊佐山さんの見方に共感をして、出資をお願いしました。

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