「実は深く眠れていない人」が日中感じるサイン 深い眠りを実現するために日常的にできること

拡大
縮小

では、ぐっすり眠るためにどうすればいいのだろうか。白濱氏は「眠りに入って4時間以内に、深睡眠を2回以上取れるかがカギ」と話す。実は、深睡眠が訪れるのは眠りの前半のみ。つまり長く眠るよりも、最初の4時間にいかに深く眠るかが重要なのだ。

「深く眠るには『深部体温』を意識しましょう。深部体温とは内臓など体の内部の体温で、私たちの体には深部体温が下がると眠くなるという性質があります。そのため就寝時刻に向けて、入浴などで意識的に深部体温を上げ、スムーズに下げていくことが大切です。同時に、自律神経のうち交感神経の働きを少しずつ鎮め、リラックスして副交感神経を優位にすることもとても重要です」

眠りの質が上がる!1日3分「深睡眠ストレッチ」

ここまでで解説したように、「ぐっすり眠る=眠りの前半に深睡眠をしっかり取る」ためには、「深部体温」と「自律神経」を整えることが重要。しかし、「加齢によって自律神経の機能は弱まり、深部体温のリズムが乱れがちになります」と白濱氏。

本来、深部体温は夕方にピークを迎えると、徐々に下がり始め、眠りに入ると急激に下がるようになっている。また、自律神経は夕方から夜になるにつれ、だんだん副交感神経が優位になり、自然と眠りやすい状態になる。ところが、年齢とともに深部体温の高低差や自律神経の切り替えができなくなり、深く眠れなくなる人が増えるのだ。

そこで実践してほしいのが、3つのステップでできる「深睡眠ストレッチ」。意識的に深部体温を上げ下げし、副交感神経を働かせることで、深い眠りに入りやすくなる。今日からさっそく実践してみよう。

【入浴時】
「1分間首もみストレッチ」で深部体温を効率よく上げよう
(1)シャワーを首の後ろに当てて、首の筋肉と血管を温める
シャワーを固定して、ほんの少しだけ熱めのお湯を首の後ろに当てる。血管が集まっている首を温めることで、効率的に深部体温が上がる。
(2)首の後ろのくぼみに親指を当て、手を上下にゆっくり動かす
シャワーを当てたまま指を組んで親指を首の後ろのくぼみに当てる。手を上下に動かして首のコリを解消することで、血行が促され、深部体温が上がりやすくなる。
次ページ布団に入る前、布団でできるストレッチ
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT