自社も競合も丸裸にする「利益」の深堀り分析術 ビジネスパーソンに知ってほしい会計の知識

拡大
縮小
損益計算書を深堀りして分析する方法を解説します(写真:freeangle/PIXTA)
自分の会社がいくら儲かっているか、競合他社が実際、どのくらい儲けているか、自分の会社とどのくらい差があるか、ご存じでしょうか。会社や事業の利益や損は、アカウンティング(会計)における「損益計算書」を見れば一目瞭然で、これをキチンと見ること・活用することが、ビジネスの成功や利益の向上につながります。ビジネスパーソンであれば知っておいたほうがよい基本を、西山茂・早稲田大学MBA教授の新著『MBAのアカウンティングが10時間でざっと学べる』を一部抜粋・再構成してお届けします。

損益計算書に出てくる5つの利益

損益計算書は、企業の一定期間における「利益」をベースにした活動報告書です。通常、顧客に商品や製品を提供した金額である「売上高」から始まり、費用などを差し引いたりしながら、5つの利益を集計していきます。

5つの利益とは、①売上総利益、②営業利益、③経常利益、④税金等調整前当期純利益、⑤当期純利益のことです。

損益計算書の最初に出てくる「売上高の大きさ」とその「伸び」は、企業を見る場合の重要なポイントです。売上高の大きさは、「顧客にどの程度販売できているか」という意味での企業規模を表していて、業界内のシェアにも関係し、強みの1つにもなります。

企業の成長は、売上高の伸びをもとに見ることが多く、売上高成長率を市場全体や同業他社の成長率と比較することで「シェアが維持できているか」「他社との販売競争に負けていないか」を確認できます。

次ページ自社の成長率が低い理由を探る
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT