就活で「強みがない人」が自己PRを考えるコツ 3つの方法で「自分の売り」を見つけ出そう

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たとえば「仕事がゆっくり」というのは一見するとネガティブなことに見えますが、裏を返すと「仕事が丁寧」ともいえるわけです。知り合いの方もそこを見てくれていました。

このように、一見ネガティブに見えることを裏返して見ることを「ポジティブ価値化」と私はネーミングしています。短所は長所になり、逆に長所が短所になることがあるわけです。ですから自己PRの場合は全部をポジティブ価値化して、自分の魅力に変えてしまえばいいわけです。

自分の強みは「かけあわせ」で作る

そして仕上げはかけあわせです。「話しを聞くのが得意」「仕事が丁寧」「NOを言わない」「スポーツに詳しい」「仕事好き」という要素をぜんぶかけあわせて、それを自分の売りにします。この5つのかけあわせがAさんの転職活動での「売りどころ」になるわけです。

『パン屋ではおにぎりを売れ』(かんき出版)。書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします

これが「かけあわせ法」です。スティーブ・ジョブズは「創造とは結び付けることである」と言ったそうですが、「かけあわせ」も同じです。イノベーションを起こすときも、自分の売りをつくるときも「かけあわせ」は使えます。

ここまで決まれば、あとはこの5つをAさんが意識的に磨いていくことで、さらに強い武器になっていきます。このとき、各項目の目標をできるだけ「数値化」することで、成長の実感をより味わうことができます。

この方法は、就活や転職活動に限らず、「自分ブランディング」にも活用できます。これからはますます個人の価値を高めていくことが求められる時代と言われています。今回紹介した方法を活用して、ぜひあなた自身の魅力を作り上げてください。

柿内 尚文 編集者

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かきうち たかふみ / Takafumi Kakiuchi

1968年生まれ。東京都出身。慶應義塾大学文学部卒業。読売広告社を経て出版業界に転職。現在、株式会社アスコム取締役。長年、雑誌と書籍の編集に携わり、これまで企画した本の累計発行部数は1000万部以上、10万部を超えるベストセラーは50冊以上に及ぶ。特に実用書のジャンルで数々のヒットを生み出している。現在は本の編集だけでなく、編集という手法を活用した企業のマーケティングや事業構築、商品開発のサポート、セミナーや講演など多岐にわたり活動。著書に『パン屋ではおにぎりを売れ』『バナナの魅力を100文字で伝えてください 誰でも身につく36の伝わる法則』(かんき出版)がある。

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