その鬼怒川エリアに東武鉄道が2017年8月、蒸気機関車牽引の観光列車「SL大樹」を導入。下今市―鬼怒川温泉間を走るようになった。幸い好評だったので、2020年に2両目のSL(C11形325号機)を真岡鉄道から譲り受け、2021年夏からは毎日の運行を計画する。
鬼怒川温泉の駅前広場には転車台を設置し、鉄道ファンのみならず、温泉客の注目の的となってにぎわいを取り戻している。同駅の北隣には鬼怒川公園駅がある。SL大樹および特急列車スペーシアは鬼怒川温泉駅が終点となり、多くの観光客は鬼怒川温泉駅で降りてしまうため、ひっそりと静まり返っている。
このご時世、「密」を避けてローカル線の雰囲気を楽しめる駅だ。さらに北上した会津鉄道沿線の芦ノ牧温泉には、『鬼滅の刃』の「無限城」の場面にそっくりと話題になった旅館もある。
首都圏にある駅
都電荒川線に早稲田から乗ると、3つ目の電停が鬼子母神前である。駅名は「きしぼじん」だが、最寄りの鬼子母神堂は「きしもじん」というのが正式な呼び名だ。
お堂に祭ってある鬼子母神は多くの子(500人とも1000人ともいわれる)を産んで育てていたが、人の子を食べて自分の栄養としていたため恐れられていた。しかし、お釈迦様に戒められて改心し、後に安産・子育ての神となったと伝えられている。そうしたことから、鬼子母神堂には安産祈願、家内安全のお参りに訪れる人が多いのである。
ところで、鬼子母神前電停の直下には東京メトロ副都心線の雑司が谷駅がある。乗り換え駅なのに駅名が異なっているとはややこしい。しかも、都電荒川線の三ノ輪橋行きに1駅乗ると都電雑司ヶ谷という別の電停があるから、さらに混乱しそうだ。夏目漱石や永井荷風などの有名人が眠る雑司ケ谷霊園は都電雑司ヶ谷電停が最寄りである。
京成本線の京成八幡駅から京成船橋方面へ向かうと次の駅は鬼越(おにごえ)駅。普通電車しか停まらない小さな駅である。所在地は市川市鬼越なので、駅名は地名に由来する。
このあたりは昔、鬼がよく出没していたらしく「鬼子居(おにごい)」と呼ばれており、その「おにごい」が変化したのが鬼越という。
駅近くの真間川沿いの遊歩道は桜の名所になっているので、散策におススメだ。隣の京成八幡駅は都営新宿線とJR総武線の本八幡駅に隣接しているので、都心へのアクセスも良好である。
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