「豆」の字が入った駅名は、愛知県にある名鉄(名古屋鉄道)蒲郡線にもある。東幡豆駅と西幡豆駅である。幡豆と書いて「はず」と読む難読駅だ。
かつて、駅のあるあたりは幡豆郡といい、その中で一色町、吉良町、幡豆町と分れる広いエリアだった。それで、愛知県のローカルニュースなどでは幡豆郡という地名を耳にする機会が多く、難読名とはいえ漢字を読める人は多かった。しかし、2011年に幡豆郡は西尾市に編入されたため、地名としては幡豆町のみが残り、それ以来マイナーな地名となってしまった。
蒲郡線沿線には温泉やレジャー施設が多くあったので、観光路線として脚光を浴び、名古屋から直通する特急も運行されていた。しかし、観光客の減少、交通手段の多様化に伴い利用者が減少し、2005年に蒲郡線に乗り入れる優等列車は廃止され、現在は、吉良吉田と蒲郡を往復する普通電車のみの運行となっている。東幡豆駅はかつての特急停車駅であり、三河湾に浮かぶ島への玄関口だった。
蒲郡線は、2両編成の電車に揺られてのんびりと風光明媚な車窓が楽しめる知られざる絶景路線だ。また、東幡豆駅の隣のこどもの国駅は愛知こどもの国の最寄り駅であり、園内をSL列車が走っていることで知られている。ぜひ蒲郡線に乗って訪れたい。
和歌山に「鬼滅」の聖地
最後に『鬼滅の刃』について。劇場版『無限列車編』の大ヒットは改めて言うまでもないが、駅に関しては、鬼殺隊の剣士のひとり甘露寺蜜璃と同じ名前の駅が和歌山電鉄にある。すなわち、甘露寺前駅だ。この駅は、猫駅長で有名になった終点の貴志駅の1つ手前の駅で、鬼滅ファンが大挙訪れる「聖地」となってしまったことから、駅名標をピンクと緑のものに取り換え話題となっている。
鬼は一般的には悪者扱いだが、改心して神になった鬼子母神やヒーローの鬼太郎など人々に愛されているキャラクターもある。そんなことを考えると、鬼の付く駅名により愛着が湧いてくるのではないだろうか。
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