カゴメの野菜飲料が在宅勤務の人に選ばれる訳 栄養摂取に加え、安心・手軽でも支持集める
カゴメは昭和時代、畑にいる農家のお母さんが離れて暮らす息子に呼びかける「野菜をとらにゃあ、だちかんぞ~」というテレビCMが話題となった。
当時から野菜の摂取不足を喚起してきたが、いまだに日本人の野菜不足は続く。そのため前述のキャンペーンでも「野菜をとろう、あと60グラム」を掲げている。
「野菜摂取」への関心をどう訴求するか
野菜飲料のような機能性飲料は、昔に比べてかなりおいしくなった。
取材を続けていて感じるのは、現代の消費者は毎日の食生活で「手軽に置き換えられる」商品でないと常用しない――ということ。一方で健康機能性飲料は「いまは健康だけど、健康に不安がある」時に、手に取られやすい商品だ。
「野菜飲料を飲むことは、野菜摂取の手段として手軽に行えるため、情報発信を中心に野菜摂取意向を喚起することで、野菜飲料への関心を高められると考えています」(西田氏)
派生商品の開発にも力を入れる。例えば「野菜生活100 Smoothie」という商品は、女性に人気のスムージーで、キャップ付き容器で濃厚な味わいにこだわった。パソコンワークでの小腹満たしや、リフレッシュしたい時に選ばれることもめざしている。
また、「野菜生活100 Care+」は野菜生活100で初めての機能性表示食品で、「肌の保湿」や「冷え」といった野菜不足以外の体の悩みにも対応している。
最近の同社のCMを見たことがあるだろうか。女優の上野樹里さん演じるママが登場したり、人気番組「孤独のグルメ」を思わせる松重豊さんが会社員風男性で登場したりしている。
「上野さんのCMは『子どもが野菜を食べてくれない母親の悩み』を解決するシーンを伝えており、松重さんのCMは『野菜一日これ一本』の価値=トマトのうま味に注目し、ふだんの食事と組み合わせることで『おいしさ』と『罪悪感の払拭』を提案しました」
ともすれば機能的価値が目立つ商品なので、情緒的価値も訴求したのだという。
「最近、野菜不足かな」と思う消費者を、変にあおるのではなく正攻法で訴求する。それが中長期的な固定ファンづくりにつながっていくのだろう。
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