幻に終わった百貨店強者連合、規模拡大に展望見えず

H2Oの阪急うめだ本店は高い商品政策(MD)力で知られ、高島屋はSC開発が収益源でグループ力に特長がある。また関西に集中し、阪急うめだ本店など旗艦店への依存度が高いH2Oに対して、高島屋は全国に20店舗、うち6店の大型店を有する。店舗戦略に対する姿勢や考え方にもズレがあったという。

「今後のMD、店舗戦略、人事、システム等、すべての課題について話し合えば話し合うほど、考え方に差異があることがわかった」(高島屋の鈴木弘治社長)。結局、ほかの連合と違い、どちらか一方が強い主導権を握ることもできず、統合比率を決めるまでには至らなかった。

さらには誤算も生じた。「シナリオになかったことがリーマンショック」。H2Oの椙岡俊一会長がそう指摘するとおり、事業環境の悪化で、両社のすり合わせに時間を割く余裕が乏しくなったのだ。

さらに、規模拡大の展望も見いだしにくかった。百貨店業界は、市場縮小に合わせたスリム化が待ったなしの状況。そこで一般的には、規模拡大によるコストダウンが有効な戦略と考えられる。

しかし、百貨店はチェーンストアなどと比べて店舗数は少ない。立地や規模による店舗の特徴の差も大きく、高級路線ならば品ぞろえの多様性や外商といった人的サービスも重視される。規模拡大が必ずしも万能ではないのだ。

鈴木社長もこう語る。「どんどん経営統合していくと、規模は大きくなるがブランドの希薄化というデメリットもある。規模拡大を求めることが百貨店経営の強みにならないとの認識もあるので、今後別のパートナーを必死で探すことはない」。

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