幻に終わった百貨店強者連合、規模拡大に展望見えず

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幻に終わった百貨店強者連合、規模拡大に展望見えず

店舗閉鎖や人員削減など生き残りを懸けたリストラが相次ぐ百貨店業界。経営統合を目指していた高島屋とエイチ・ツー・オー リテイリング(H2O)の計画が撤回された。

阪急、阪神という電鉄系百貨店を抱え、関西で圧倒的な存在感を放つH2O。そして老舗百貨店として独立路線を標榜していた高島屋。

2社が計画を発表したのは2008年10月。そごう・西武、大丸・松坂屋、三越・伊勢丹に続く統合が実現すれば、業界初の強者連合になると話題になった。

3年以内の経営統合を目指し、両社は資本・業務提携を締結。お互い株式を10%保有し、「業務提携委員会」を毎月開催。各分野での部会や分科会を設け、統合に向けた準備をしていたが、3年後の11年を待たずに白紙撤回となった。

統合は中止するが、今後も株式保有は継続し、資材の共同購入や中元・歳暮事業などの共同開発は続ける。

埋まらなかった溝

「経営統合発表時のほうが驚きだった。今回の破談は、やっぱりという感じ」(業界関係者)と言われるように、キリン・サントリーの事例を彷彿とさせる大型破談にもかかわらず、業界の受け止め方は冷静だ。

それは両社が破談の原因に挙げた「考え方の差」がはたからも明白だったからだろう。

先行した百貨店統合が、強者による弱者救済型といわれたのに対して、H2Oと高島屋は、業界ではいわゆる勝ち組同士でプライドも高い。 

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