財政政策の「出口戦略」が世界の経済成長を抑制--大場智満・国際金融情報センター理事長(元財務官)
世界各国ともそれぞれの事情があり、米国と同じことをやる必要はないが、やはり国際的な調和がとれればとったほうがいい。
ヘッジファンドやプライベート・エクイティ・ファンドが暴れたことで今回の金融危機が起きたわけだし、米国のサブプライムローンについても日本のバブル時代と同じように、借り手の返済能力を無視して貸したことが危機を招いた。そういったことに歯止めをかけることは必要だろう。
ただ、ボルカー・ルールには金融機関のサイズ(規模)への制限が盛り込まれている。銀行に中小企業への融資を増やせと言っているときに、銀行の負債を抑えろという規制であり、やや矛盾した感がある。経済に対する影響への配慮が必要だろう。
(聞き手:中村 稔 撮影:尾形文繁 =東洋経済オンライン)
おおば・ともみつ
1929年生まれ。1953年東京大学法学部卒業。大蔵省入省。63年、在イタリア大使館書記官。76年、国際金融局総務課長。77年大臣官房審議官(大臣官房担当)。78年、大臣官房審議官(国際局担当)。79年、国際金融局次長。82年、国際金融局長。83年、財務官。86年、退任。国際金融情報センター理事長。2008年12月より理事長再任。
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