実戦!地頭力(上) 花粉症の経済効果、地下経済の規模を計算する

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実戦!地頭力(上) 花粉症の経済効果、地下経済の規模を計算する

花粉症の経済効果はどう計算するか

花粉の飛散量が増える春先になると、マスクや薬などを買い求める人が増える。そこで花粉症と景気には何らかの関係があるという仮説が成り立つが、花粉症の経済波及効果はどうやって算出すればよいのか。
 
 北京五輪やサッカーW杯などのイベント、あるいはクールビズや猛暑といった現象が生み出す経済波及効果の算出方法は、テレビや衣服などの商品がどのくらい売れるかを個別に計算していく「ボトムアップ」方式と、過去の事例を基に統計的手法を用いて効果を測定する「トップダウン」方式とに大別される。

トップダウン方式は地頭力でいうフレームワーク思考力が必要とされる。統計的手法という絶対座標軸を持ち、全体を漏れなく俯瞰することが必要だからだ。

第一生命経済研究所の永濱利廣主任エコノミストによれば、花粉症の経済効果の算出に当たって問題となるのは、全国の花粉の飛散量を示す公式な統計が存在しないことだ。ではどうするか。花粉飛散量は前年夏の平均気温や日照時間と深い関係があることがわかっている。そこで花粉飛散量の代わりに前年夏の平均気温を使って効果を測定すると、前年が猛暑だと、翌春の個人消費が落ち込むことが統計的に確認されるのだ。

さらに消費支出を細かく見ると、レジャー活動と関係の深い「教養娯楽」、買い物に行く頻度の影響を受ける「被服及び履物」、外出に関連する「交通通信」などの支出が落ち込むことがわかる。プラスになるのはマスクや薬などの「保健医療」と、室内にいることで支出が増える「光熱水道」の2品目だけだ。

また、花粉の飛散量が増えると、百貨店の売り上げは下がるが、スーパーの売り上げは増えることも確認されている。ここから花粉症になると中心街の百貨店には出掛けず、近所のスーパーで買い物を済ませるという人間の行動が透けて見える。

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