バッハを聞くと「勉強&読書」がはかどる理由 全米トップ脳トレーナーが教える科学的勉強法

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アクティブリコールは次のように使おう。

・勉強中の素材を復習する。
・本を閉じ(音声や講義の録画なら停止し)、復習した範囲で思い出せることをすべて書き出すか声に出して言う。
・もう一度、素材を確認する。どのくらい思い出せていただろうか。

このプロセスを数回繰り返せるだけの十分な勉強時間を確保しておこう。

学習効果が高まるタイミングと姿勢

習慣2 時間を空けて復習する

一夜漬けには多くのマイナス面がある。つい試験前日までサボりたくなる気持ちはわかるが、膨大な量の素材を一度に勉強しなくてはならない状況に自分を追い込んでも、まず実にならないと思ったほうがいい。脳本来の働きに逆らうことをしているからだ。

反対に、見直しの間隔を空け、そのあいだに忘れた情報を重点的に復習できたら、脳の力をフルに活用できる。「間隔反復が、単純ながらきわめて効果的な学習法であるのは、脳の仕組みをうまく利用しているからだ」と、オンライン学習のプラットフォーム「シナップ」のCEO、ジェームズ・グプタは述べる。

「学習で負荷がかかると、脳は筋肉のようにその刺激に反応し、神経細胞間の連絡を強化する。一定時間を空けて反復することで、この連絡はその都度さらに鍛えられる。その結果、知識を長く保持できるのだ。私の知るかぎり、間隔反復を使い始めた人々は、それに絶大な信頼を置いている」

間隔反復は、素材を一定の間隔で復習できるときに最も効果を上げるという。十分な時間を取ることが大切なのはそのためだ。例えば午前中に1回見直し、夕食前にもう1回見直すプロセスを4日連続で繰り返したら、今度は別の素材を同じ間隔で見直す。この手法とアクティブリコールを一緒に使おう。素材を復習し、どれだけ覚えているかを確かめたら、少し時間をおいてまた復習するといいだろう。

習慣3 心の状態と姿勢に気を配る

何かをしているときの自分の状態は、その行動の成否に大きな影響を与える。ものすごく嫌なことがあった日にスピーチを頼まれたり試験を受けたりしても、全力を出すことはできないだろう。心の状態がパフォーマンスを下げるからだ。

一方、上機嫌でいれば、同じ状況でも結果は確実によくなる。ポジティブで充実した状態でいるほど、よりよい成果を得られるわけだ。勉強も例外ではない。

姿勢も心の状態に関わる。勉強するときは、人生を左右する重大な情報を学ぼうとしているかのように座ろう。姿勢を変える必要があれば、変えたあとの集中力の度合いに注目してほしい。正しい姿勢で座っているときは、呼吸しやすく、脳や体に必要な酸素がスムーズに行きわたる。前かがみの姿勢は、呼吸に関わる臓器を圧迫するので疲れてしまう。

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