中国、高速道路での自動運転走行試験を解禁へ 工業情報化省がガイドラインの改定案を公表

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中国では各地の地方政府が自動運転車両の走行試験プロジェクトの誘致を競っている。写真は湖南省長沙市での走行試験の様子(湖南湘江新区管理委員会のウェブサイトより)

中国政府は自動運転車両の公道走行試験の範囲を高速道路に広げる。1月11日、中国工業情報化省が自動運転車両の走行試験に関する「暫定ガイドライン」の改定案を公表し、その中で方針を明らかにした。

現行の暫定ガイドラインは2018年4月に制定され、自動運転車両の公道走行試験時に順守すべき枠組みを定めている。今回の改定は自動運転技術の長足の進歩に合わせたもので、(業界や市民から)パブリックコメントを募ったうえで正式に施行される予定だ。

自動運転はその安全性を担保するため、現実のさまざまな走行状況のデータを集めて技術的検証を行う必要がある。だが、これまでは高速道路上で走行試験を行うことが原則として認められておらず、開発企業は必要なデータの収集・蓄積が困難だった。

今回の改定案の背景について工業情報化省は、高速道路上での自動運転が技術的にはすでに可能になっていることや、産業界から公道走行試験の範囲拡大を求める声が高まっていることなどを挙げた。

無人タクシーや無人宅配の試験運用も奨励

実は海南省、湖南省長沙市、河北省滄州市など一部の地方では、公道走行試験の範囲拡大が先行実施されている。例えば海南省政府は2020年8月から、開発企業のテスト車両が過去1年間に累計1万キロメートルを超える単独走行試験を行い、なおかつ無事故だった場合、高速道路上での走行試験の申請を受け付けている。

本記事は「財新」の提供記事です

工業情報化省によれば、中国国内で自動運転車両の走行試験が認められている公道は2000キロメートルを超え、走行試験の許認可数は400件余り、試験走行距離は延べ200万キロメートルに達する。とはいえ、自動運転はまだ発展途上の技術だ。同省は交通安全を最優先するため、走行試験の範囲をすべての公道に広げるのはまだ時期尚早としている。

なお暫定ガイドラインの改定案は、走行試験の範囲拡大以外にも、自動運転技術の具体的なアプリケーションとして無人運転タクシー、無人運転バス、物流センター間を結ぶ幹線輸送、「ラストワンマイル」の物流を担う無人宅配などの試験運用を奨励している。

(財新記者:劉雨錕)
※原文の配信は1月12日

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