半導体の受託製造(ファウンドリ)で世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)は1月14日、2020年10~12月期の業績を発表した。同期の売上高は前年同期比14.0%増の3615億3000万台湾ドル(約1兆3377億円)と、四半期ベースでの過去最高記録を更新。純利益は同23%増の1427億7000万台湾ドル(約5282億円)だった。
また、同時に発表した2020年の通期の売上高は前年比25.2%増の1兆3400億台湾ドル(約4兆9600億円)、純利益は同50%増の5179億台湾ドル(約1兆9162億円)に達した。
半導体の用途別に見ると、2020年10~12月期はスマートフォン関連への集中がより一層進んだ。決算報告書によれば、総売上高に占めるスマホ関連製品の比率は51%と、直前の2020年7~9月期より5ポイント上昇した。
一方、高性能パソコン・サーバー向け製品の比率は10~12月期は31%と、7~9月期より6ポイント低下。そのほかの用途ではIoT(モノのインターネット)関連の比率が7%、コンシューマーエレクトロニクス関連が4%、カーエレクトロニクス関連が3%を占めた。
2022年下半期から3nmの量産目指す
プロセス技術の面では、TSMCが2020年から量産を始めた世界最先端の5nm(ナノメートル)の製造ラインがフル稼働に達し、10~12月期は総売上高の5分の1を稼ぎ出した。
台湾の市場調査会社のイサイアリサーチによれば、5nmプロセスの主要顧客はアップル、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)、ブロードコム、ビットメイン(訳注:中国の仮想通貨マイニング大手)、ザイリンクスなど。そのうち出荷量が最も大きいのはアップル向けだ。
TSMCはさらに次世代の3nmプロセスの試験生産を2021年に開始し、2022年下半期から量産する計画だ。同社総裁(社長に相当)の魏哲家氏は業績説明会で、3nmの商談をすでに高性能パソコン・サーバー関連やスマホ関連の顧客と始めていると述べた。
業績説明会では、TSMCの2021年の設備投資計画が250億~280億ドル(約2兆5948億~2兆9061億円)に上ることも明らかにされた。2020年の設備投資額である172億3500万ドル(約1兆7888億円)を大幅に超える理由について、CFO(最高財務責任者)の黄仁昭氏は「最先端のプロセス技術と特殊製造技術をさらに発展させるため」だと説明した。
(財新記者:屈慧)
※原文の配信は1月14日
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