夜中にトイレに行く人が気を付けたい6つの事

ノンレム睡眠は加齢とともに浅くなっていく

ぐっすり寝るためにはいくつかのポイントがあります(写真:8x10 / PIXTA)
肝臓の数値が気になったり、血圧を毎日測る人がいても、脳の健康状態を意識している人は多くはいません。特に脳の健康で気を付けたいのが睡眠です。順天堂大学医学部名誉教授の新井平伊氏が上梓した『脳寿命を延ばす―― 認知症にならない18の方法』を一部抜粋・再構成し、脳と睡眠の関係を紐解きます。
① 最適な睡眠時間は6.5~7時間

睡眠と脳の健康には、非常に深い関係があります。動物実験の結果、睡眠時間を短くしたラットの脳には、老廃物のアミロイドβが溜まってしまうことがわかっています。人間でも、一晩の寝不足でアミロイドβの蓄積が増えるというデータがあります。

アミロイドβは普通、寝ている間に代謝、分解されて、脳の外へ洗い流されます。ところが睡眠時間が短いと、排泄が遅れてしまうのです。寝不足が続けば、アミロイドβはどんどん蓄積されてしまうことになります。

最適な睡眠時間には、個人差があるものです。しかし疫学的なデータからみると、6時間半から7時間眠る人が最も認知症になりづらいことがわかっています。ところが、6時間未満と8時間以上はどちらも2倍、認知症になりやすい。寝不足も寝すぎもいけないというのは、興味深い事実です。

脳に悪影響を及ぼす睡眠障害

脳の健康に悪い影響を及ぼすのは、寝不足、言い換えると睡眠障害です。睡眠障害は、なかなか寝つけない入眠困難、長い時間寝ているはずなのに疲れが取れない熟眠困難、夜中や早朝に目が覚めてしまう早朝覚醒の3つに分けられます。

精神医学的な面から言うと、神経症の人は入眠困難が多く、うつの人には早朝覚醒が多い傾向があります。

ただし、現在は睡眠時間の短かさや質よりも、眠くて勉強や仕事ができないなど昼間の活動に支障があることを重視して、睡眠障害と定義するようになってきました。 

② 昼間の覚醒と夜間の睡眠のリズムを整える

1日の4分の1から3分の1に当たるわけですから、人間はかなり長い時間寝ています。身体と脳を日ごとにリセットするには、それだけ長い時間が必要なのです。その6~7時間のうちに、レム睡眠とノンレム睡眠という波が交互に訪れることは、よく知られています。

レム(REM)とは「Rapid Eye Movement(急速眼球運動)」の略です。レム睡眠の時間帯には身体は休んでいるのですが、その名の通り目がぴくぴく動いています。脳は覚醒状態にあって活発に働き、記憶の整理や定着を行っています。夢を見るのは、レム睡眠の間です。

目が動かないノンレム(non─REM)睡眠は深い眠りで、脳も休んでいると考えられています。ところが、脳の休息に欠かせないノンレム睡眠は、加齢とともに浅くなります。たとえばトイレに起きやすくなるのは、眠りが浅くなるせいです。睡眠障害がなくても、老化によって睡眠は浅く短くなり、質が低下していくのです。

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