仮想通貨で「170万円騙し取られた」男性の告白

マッチングアプリの女性に乗せられて挑戦

しばらくは日常的な会話のやりとりで、再び投資の話が出てきたのが、2週間たってからでした。しかも、そのきっかけは「投資の調子はどうですか?」という男性からの問いかけでした。

女性は「今日は兄のアドバイスを受けて、ビットコインの取引をしてみたら、7000ドル稼げました。兄の言うとおリにすれば儲かりますので、あなたも短期の取引をしてみませんか?」と言うのです。そして、仮想通貨のチャート画面のスクリーンショットを送ってきました。

「鮟鱇(あんこう)の待ち食い」という言葉がありますが、詐欺ではしばしばこの手が使われます。不特定多数の人にアプローチをかけておき、その中の誰かが「詐欺の口」の中に入ってくるのをじっと待つのです。

男性が仕掛けた罠に入ってくると、女性は一気に襲いかかります。「今日は1600ドル稼ぎました!」、翌日も「1400ドル増えました」と射幸心をあおってきました。兄からの情報で間違いなくお金が増やせると言い、「興味はあるけど、原資がない」としぶる男性に少額からの投資を勧めます。

会員制のプラットフォームを紹介

男性が国内の仮想通貨取引所に口座を開設して20万円を入金すると、さらに女性は「私がやったのは短期取引です。短期取引のプラットフォームに登録してください」と言って、「ビットA」(仮称)というサイトを紹介してきました。

女性が仮想通貨の投資に誘ってきたのには、ある背景がありました。それは2020年10月下旬頃からビットコインの価格が上昇しており、詐欺を仕掛ける側が絶好の好機と見ていたからにほかなりません。

男性もビットコインの値が上昇傾向であったことは事前に知っており「ちょうど仮想通貨の投資には良い時期だ」と興味を持っていました。「今なら、儲かる」と思っていたタイミングで、投資詐欺の術中にはまってしまったわけです。

メールアドレスや電話番号を入力して、サイトへの登録作業を進めていくと、「招待コード」の入力画面が出てきます。女性にこの件を尋ねると、8桁の番号が伝えられました。

一通り必要事項の入力を終えてサイトにログインすると、画面には「審査中」の文字が出てきます。すぐには登録が完了できないようになっていたのです。

この手続きが「あなたは選ばれた存在」と思わせるトラップなのです。紹介制であり、かつ、この過程を経ることで、「審査を通った選ばれた人しか参加できない特別なサイト」だと思わせる手法です。

次ページサイトの審査に「合格」
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