「ロンバケ」のようなドラマは二度と作れない訳 名作ドラマで振り返る「情報通信ツール」の進化

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

爆発的な普及率アップに呼応するように、1997年頃からドラマにも登場するようになっていった携帯電話。それと並行して存在感を増していったのが、「メール」です。パソコンへの間違いメールが元で、恋が始まる『WITH LOVE』(フジテレビ系)が登場したのが、1998年。

携帯電話の浸透がうかがえる『涙をふいて』

そして、この2年後の『涙をふいて』(2000年/フジテレビ系/上戸彩のデビュー作)では、メールや携帯電話を巡る状況がさらに進んでいることがわかります。

この作品は、火事で父(木村恵吾)を亡くし、母(岡田奈々)が意識不明の重体になってしまった4人兄妹を引き取った大西勝男(江口洋介)の物語。その4人兄妹の長男・渕上健太(二宮和也)は、使っている形跡のない携帯電話をずっと大切に持っていました。

その理由は、生死をさまよっている母からの、最後になるかもしれないメールが残されているからです。一般的に普及してから3年ほどの時期ですが、既にメールや携帯電話の浸透ぶりがうかがえます。

それから10数年の時を経た2017年頃からは、メールよりLINEが主流化。LINE上のやり取りをそのまま画面に出す演出も時折見るようになり、今では1クールに数本の割合でドラマに登場しています。

通話だと取り留めない内容になってしまうのに、画面上がポップなLINEのやり取りにするとドラマ演出として際立つといった一種の“発見”だったのかもしれません。

2020年の『♯リモラブ~普通の恋は邪道』(日本テレビ系)では、ドラマの4分の1近くが、このLINEのやり取りになっていたほどです。

次ページコロナでドラマはどう変わった?
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事