北朝鮮の金委員長は党大会で何を語ったか バイデン新政権に北朝鮮敵対視政策の撤回を要求

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金委員長は「現在、南朝鮮(韓国)当局は防疫協力や人道主義的協力、個別観光のような本質的ではない問題を取り出し、北南関係の改善に関心があるような印象を与えている」とも言及。韓国の文政権が提示したコロナ禍での防疫協力などにも否定的な反応を示した。

続いて、「現時点で、南朝鮮当局が以前のように一方的に善意を見せる必要はなく、われわれの正当な要求に応じる分だけ、北南協議を履行するための行動を見せるべきだ」とこれまで南北間で合意された内容を忠実に履行するように文政権に要求した。

このように韓国に対して強い姿勢で言及しながらも、南北対話再会の可能性を残した。「南朝鮮当局の態度次第で、いくらでも近い時期に北南関係が再び3年前(2018年)のように、全民族の熱意通りに平和と繁栄の新たな出発点に戻ることができるだろう」と付け加えた。

原子力潜水艦、ICBMの高度化にも言及

北朝鮮の国防力を誇示し、さらなる強化計画も公開した。金委員長は「新たな原子力潜水艦の設計研究が終了し、最終審査段階にある」と、原子力潜水艦が開発中であることを初めて、公式に表明した。また、大陸間弾道ミサイル(ICBM)について、「射程距離1万5000キロメートルの任意の戦略的対象を正確に打撃・消滅させる命中率をさらに高め、核先制・報復打撃能力を高度化する目標が提示された」とも語った。

2016年に発表した「国家経済発展5カ年戦略」には触れたものの、新たな5カ年計画の方向性などは明らかにされなかった。金委員長は「野蛮な制裁封鎖と深刻な自然災害、世界的な保健危機の長期化」などの表現で経済発展での障害について触れ、「主要な経済部門を復興させるために予定していた国家的投資や事業がきちんと実行することができなかった」と前5カ年戦略の目標が達成できなかったと指摘した。
(韓国「ソウル新聞」2021年1月9日)

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