金正恩「経済目標は大きく未達」と述べた理由 今党大会で「実現可能な」5カ年計画を提示か
2021年1月5日から開催されている北朝鮮の朝鮮労働党第8回党大会。金正恩・朝鮮労働党委員長は「国家防衛力をより強化し、国家の安全保障と発展のための平和的環境を守る」という意志を鮮明に打ち出した。
北朝鮮の国営通信社・朝鮮中央通信は1月7日、前日1月6日に行われた金委員長の党中央委員会事業総括報告の内容を伝えた。これによると、「国家防衛力をより高い水準へ強化し、国と人民の安全と社会主義建設の平和的環境を守ろうとし、その実現のための目標を提起した」と報道した。この日の報告では、韓国やアメリカに関する政策については触れず、経済問題を中心に言及した。
国家防衛力の強化も主張
朝鮮中央通信はまた「交通運輸や建設・建材工業、通信、商業、国土開発、都市経営、対外経済をはじめとする主要部門と経済管理分野の実態が分析され、新たな5カ年計画期間の目標とその実行方法が上程された」と伝えた。また、市・郡を自律的・多角的に発展させ、農業や軽工業、水産業で生産を増やす方法を明らかにした。それ以外にも、国家的な科学技術の発展を促進させるための課題が具体的に提示されたと伝えている。
金委員長は1月5日の党大会開催のあいさつで、「経済目標はほとんどすべての部門で著しく未達だった」と述べ、経済面での失敗を素直に認めた。朝鮮中央通信は今回の事業総括報告について、「われわれ式の社会主義建設の全面的な発展の道筋をつけるための戦略・戦術的方針が反映された」と説明している。前回2016年の第7回党大会では、金委員長の事業総括報告は2日だけ行われた。
金委員長は前回党大会の開催あいさつでは、水素爆弾実験の成功をアピールするなど自画自賛の内容を述べたが、今回は「中央委員会の事業報告」で経済の問題点を比較的詳細に言及し、教訓を得るべきだと強調した。