SHOWROOM前田社長が放つ、「プロ」の短尺動画 視聴者はみな心の空洞を埋めようとしている
自分のギフトが配信者の夢につながる
━━2020年は長引く自粛で、ゲームの「あつまれ動物の森」や動画配信のネットフリックスなど、巣ごもり需要は好調でした。本業のSHOWROOM事業の手ごたえはいかがでしたか。
コロナ禍において、「夢を実現したい」配信者と「夢を応援したい」視聴者のつながりが深まり、SHOWROOM事業は顕著な成長を見せた。配信者や視聴者の増加にあわせ、ギフティング課金者数も増えた。ライブ配信市場全体が伸びているが、その中でも私たちはエンタメを主な領域にしており、リアルでイベントに行けない方々の可処分時間が一気にオンラインに向かった事がシンプルにドライブした現象と見る。
指標の中でも特にギフティング課金者数が伸びた理由は3つあると考える。1つは「インタラクション(相互作用)課金」によるもの。視聴者はギフティングを通じて、配信者と「見に来てくれて嬉しい」といったような心の通ったコミュニケーションをとることができる。コロナが空けた心の空洞を満たしてくれる。2つ目は「パフォーマンス課金」。心揺さぶられるほど感動する歌を配信者が歌い、視聴者が純粋に「素晴らしい」と感じる。そこで発生するギフティングを指す。これが最も一般的なギフティングのイメージなのであろうと思う。そして3つ目が「応援課金」。自分のギフト(有料アイテム)がそのアイドルの未来や夢につながるのを実感することができる。利他課金と呼んでもよいのかもしれない。
特に足元でギフティング市場が伸びているのは、インタラクションや応援が大きいと感じる。「誰かの役に立ちたい」などといった「人同士の心のつながり」に価値を感じる視聴者が増えていることを実感する。特に緊急事態宣言後の4~5月に、ネットサービスやメディアはどれも急激に伸びたと思うが、自社のKPIを見るにつけ、どんどん心が乾いていく(そしてどこかに潤いを求める)社会の断片を切り取っている気がしてならない。
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