コロナで魅力度が一気にアップした「5つの街」 独断!2021年版「ゆく街・くる街」はこうなった

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コロナ禍で現在は控えめな活動になっているが、地域で店を出したい、活動したいという人も徐々に集まってきている。場は河邉氏が用意できる。となれば、無味乾燥な住宅街に顔の見える関係、これまでになかった店などが出てくる日も近いはずだ。

妙蓮寺(神奈川)

もう1つ、地元の不動産会社の関与で変化し始めた街をご紹介しよう。横浜市港北区、東急東横線の妙蓮寺駅である。東横線開通までは妙蓮寺しかなかったというが、現在は知る人ぞ知るお屋敷の点在する街。コンパクトな駅前や、商店街の様子からは想像できないが、元一部上場企業社長宅が地元の不動産・建設会社松栄建設の手でおばあちゃんの家事付きシェアハウス『シェアネスト東横』になっていたりするのである。

同シェアハウスが誕生したのは2013年。松栄建設の三代目・酒井洋輔氏が一人暮らしの時に困っていた、掃除・洗濯で休日が終わってしまうという問題をクリアする住まいとして誕生した。

街にかかわるための会社を設立

それまで新築建売一戸建ての分譲や賃貸仲介などと一般の不動産会社と変わらぬ業務を手がけていた同社が街に関わり出したのは街の歴史やブランドを消費しているだけでは街が死んでしまうという意識から。街の価値を掘り下げ、情報を発信して住みたい人を増やせば最終的に不動会社に利益は帰ってくる。だが、その時点では誰もそれをやっていなかった。

そこで酒井氏はシェアハウスに続き、街にかかわるための子会社HUGを設立し、古民家を利用したカフェ、イベントスペースを作り、2019年からは菊名池古民家放送局という妙蓮寺、白楽、菊名の情報を集めたサイトを立ち上げた。

2018年には地元で歴史のある石堂書店から雨漏りの相談を受けたことをきっかけに街の本屋の生き残り策を模索。2019年には改修費をクラウドファンディングで集め、2020年2月に書店の2階を「本屋の2階」というコワーキングに、使われていなかった倉庫を姉妹店「本屋生活綴方」として改修した。

倉庫として使われてきた建物を石堂書店の姉妹店として活用。本店とは全く違う、特徴ある品揃えを目指して遠隔地からも客が来る(写真:中山礼美)

「生活綴方」では主に詩やエッセイを販売しているのだが、面白いのは店番が勝手に集まってきたボランティアで、しかもいつの間にか30人にもなっていたということ。募集を出していたわけでもないのにやりたいと申し込んできた人、友達がやりたいと言っていると連絡してきた人、店番をやっている時に来た人をスカウトした人など、どうしたらそういうことが起こるのか、何度聞いてもワケが分からない。

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