コロナで魅力度が一気にアップした「5つの街」 独断!2021年版「ゆく街・くる街」はこうなった

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多様性を選択の幅と言い換えると価格の幅、選択できる数は大きなポイント。立川が現時点で最強というのはすでに幅があり、かつそれが広がりつつあるという事実から。まだまだ、変化しそうなのである。

戸田公園(埼玉)

地域で過ごす時間が増え、地元に目を向け始めると、そこにカフェや美味しいパン屋、人のつながりなど、あれこれ欲しいものが出てくる。街に変化、住む楽しみを期待するなら注目して欲しいのは地場の不動産会社である。街を観察しているとわかるのだが、変化している街、面白くなっている街の多くには地域全体を考えて仕事をしている不動産会社があり、その動きが街を変えている。

例えば、埼玉県戸田市、埼京線戸田公園駅。1985年に埼京線が通って田んぼと倉庫ばかりだった土地に住宅が建ち始めた場所で、当時の建てればすぐに埋まるという成功経験からか、相続があればいまだにアパートか、分譲マンションが建つ土地柄である。かつては個人商店もあったが、大型スーパーに駆逐され、現在は住宅ばかりが広がる。 

つまらない住宅地が面白くなった

そんな無味乾燥(!)な街で2015年以来古いアパートなどをリノベーションし、デザイナーやアーティスト、物書き、カメラマンやクリエイターなどを呼び込んでいる不動産会社がある。八百屋だった父が転業して始めた不動産会社・平和建設の二代目、河邉政明氏だ。

改装した建物は2020年時点で50物件ほど。せっかく面白い人が増えてきたならと2017年からは入居者や彼らの友人たちを巻き込んだ交流会をスタート、現在は人と不動産とつなげる「トダピース」なるまちづくりプロジェクトを立ち上げてもいる。

普段は人のいない住宅街に突然人が集まり、周囲の人も驚いていた(写真:モクチン企画)

また、2020年には普通ならワンルーム6戸を建てるだろう場所に戸田市では初めてのアトリエ付賃貸3戸を建設し、建物のコモンスペースを利用して9月にはマルシェを開催。駅から10数分離れた場所に百何十人の人を集めた。

都心のイベントなら「それで?」と言われそうな数だが、地域の人には大きな衝撃で「つまらない住宅街が面白くなった」という声も。住宅街の中にこれまでなかった場ができたためか、マルシェ後には使いたいという申し込みが相次ぎ、個展の開催や、飲食店のコラボイベントと何度か使われてもきた。

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