なぜ日本人は「有馬記念」を賭けてしまうのか リスク嫌いでもギャンブル大好きの摩訶不思議

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ここからは、正真正銘の有馬記念(27日、中山競馬場11R、距離2500メートル、G1)の予想である。

有馬記念は実力なら2頭の一騎打ちだが、馬券は・・・

実力から行けば、クロノジェネシス(5枠9番)とフィエールマン(7枠13番)の一騎打ち。コース適性はクロノジェネシスにあり、本当の実力はフィエールマンが上と思う。

ただ、フィエールマンはジャパンカップがいちばん合っていたレースであり、あそこでアーモンドアイと対決しなかったのは非常に不満だ。生産者の意向で主戦のクリストフ・ルメール騎手を確保して、ジャパンカップと有馬を分担して勝とうとした結果なのか。それとも単に、調整過程の失敗でオールカマー(9月に行われたトライアルレース)からジャパンカップというローテーションが取れなかったからなのか。

いずれにせよ、スポーツとしての競馬としては、フィエールマンという馬自身のためにならないローテーションなので、馬券は買いたくない。

2強以外の馬を買いたい読者に勧めたいのは、カレンブーケドール(5枠10番)。ジャパンカップは素晴らしいレースでさらに調子を上げているからねらい目だ。

「小幡は何を買うのか?」って? 決まっているじゃないですか。小幡は日本人の中の日本人。運を天に任せて、キセキ(3枠6番)。奇跡を信じたい。単勝。

吉崎達彦氏の予想は?

(吉崎達彦氏)小幡先生のギャンブル哲学論、あるいは行動経済学から見た日本人論を拝読し、深く感じるところあり。「競馬とは利益を最大化するゲームである」などとカッコつけたくなるのがギャンブラーの常なのだが、筆者も含めてほとんどのファンが通年では負け越している。それでも楽しいから止められない。つまり不合理なのがギャンブル、解き明かせないのが競馬。そして今週末は1年の総決算、有馬記念である。

クリスマスイブに発表された枠順を見て、それまでの迷いはスッキリ晴れた。あのラッキーライラックが4枠7番。この「ラッキーセブン」を買わずしてどうする? われながら不合理の極みという気もするが、有馬は7番の単勝で勝負しよう。「力を余しているのはフィエールマンだよなあ…」「3歳馬も良く来るから、オーソリティも捨てがたい…」などの邪念はどこかへ消え去った。

今年、大阪杯とエリザベス女王杯を制したラッキーライラックは、このレースで引退する。2019年のリスグラシューがそうだったように、2014年のジェンティルドンナがそうだったように、有馬で引退する牝馬は高い確率で来るのである。そういえば2017年のキタサンブラックもそうだった。馬券を外して意気消沈している筆者をよそに、北島サブちゃんは中山競馬場の大観衆を前に何曲も歌ってくれたんだよなあ。

今年はあいにく現地では見られない有馬記念。しんどいことが多かった2020年の最後は、ステイホームで応援しよう。来年こそはいいことがありますように!

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