一方、2位の旭化成(51票=文系33+理系18)で目立つのは「雰囲気」という言葉だ。アクセンチュアは社員一人ひとりの切れ味が魅力だとすれば、旭化成では場の醸し出す温かい空気感が心地よさそうだ。「ジップロックをくれる」(旧帝大クラス・文系)というコメントがあるように、お土産も雰囲気作りに役立っている。
「雰囲気がよく伝わった」(旧帝大クラス・文系)
「社員がいい人なのが伝わった」(早慶大クラス・文系)
旭化成でも社員と話す機会が設けられている。社員との接触は好感度アップの大事なポイントだ。旭化成は勘どころを心得てセミナーを構成している。回数が多いことも旭化成のセミナーの特徴。コンタクトが多ければ、理解は深まり好感度も上がる。頻繁な開催は手間がかかるが、見合うだけの効果がある。
「複数の社員が参加する座談会が何度か開催されていた」(上位国公立大・理系)
「頻繁に開催されていて、どの回も面白かった」(旧帝大クラス・文系)
丁寧に答えるカゴメ
3位のカゴメ(35票=文系23+理系12)で目立つ言葉は、「質問」だ。他社ではコンテンツへの言及があるが、カゴメのコメントにはない。学生の疑問に丁寧に答えることに徹している。学生は大人を警戒しているので、正直な大人に好感を抱く。
「飾らずありのままの話を聞けた」(早慶大クラス・理系)
「質問に丁寧に答えていた」(その他国公立大・文系)
斬新なコンテンツはなさそうだが、オンラインでの工夫はある。アーカイブを用意していつでも学生が視聴できるようにしているようだ。オンラインでの広報・選考ではネットリテラシーの有無が成否を分ける。カゴメは慣れているようだ。
「雰囲気が明るい。オンラインならではの、画角の意識などもちゃんとしていて『見られている』ということをちゃんと意識していたんだと思う」(旧帝大クラス・理系)
4位の日本航空(JAL、28票=文系25+理系3)は2010年代に入って就職人気が上がり、この数年ではJAL、ANAのエアライン2社がランキング1位、2位になることも多かった。コロナ禍によって航空旅客が減少して、経営環境は厳しさを増している。
しかし、就職セミナーはきっちり実施。オンラインセミナーやSNSも活用して学生への発信力を高めている。学生の評価を読むと絶賛に近く、就職人気が高いことの理由がわかる。一部の職種を除いて採用中止を発表したのは、本調査の後である。
「質問を受け付けその場で答えるなど、就活生にできるだけ企業のことを知ってもらおうとする姿勢が感じられた」(上位私立大・文系)
「説明が詳しかった。業務内容に関する理解や自分と合うかどうかなど考える材料をしっかりとくれた」(その他国公立大・理系)
「インスタを使ったものもあり、とても見やすかった」(中堅私立大・文系)
無料会員登録はこちら
ログインはこちら