GoToキャンセル補償「旅行会社独り占め」の手口 宿泊施設へ補償が行き渡らない懸念があった

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知人のホテル支配人が「本当にこれは困る」と筆者に明かしたやり方は以下の通りだ。

・旅行会社は顧客からキャンセルを「無料適応期間」に受け、国の50%補償を待つ
・その後、ギリギリまで予約をキープ
・ホテルに対しては「GoToと関係ない予約のキャンセルだ」と称し、通常の約款通りのキャンセル料しか渡さない

例えば12月31日チェックイン予定の予約の場合、当初の無料期限であった24日までにキャンセルすれば、「数日前」なので通常の約款通りなら旅行会社が宿泊施設に支払う取り消し料はゼロだ。そしてキャンセルが25日以降に入ったことにすれば、無料期限は過ぎているので補償がなかったことにできるというのだ。

このホテル支配人は、無料キャンセル期限の27日までの延長が決まるやいなや、「24日夕方以降、年越し予約のキャンセル案件が旅行会社から多数送られてきた」と疑念を募らせる。

配分をどうするのか

キャンセル無料期間が延長されたのは「配分率決定の綱引きが決着つかないため」といううがった見方もある。旅行業界関係者は「補償金の配分をめぐり、宿泊機関と旅行代理店それぞれの業界団体が綱引きしている」とも話しており、まだ最終的な決着点は見えてこない。実際、複数の宿泊施設が「まだ補償の配分ルールが決まらないのでは」と口にしており、当局への不信感の高まりを隠せない様子だ。

コロナ禍の収束が見えない中、旅行代理店も宿泊施設も大きな痛手を負っている。代理店側は補償金の分配率は少しでも多く確保したいことだろう。しかし、このタイミングで通常時の約款規定を持ち出しては、ホテル・旅館業界との亀裂は決定的なものとなり、コロナ後のビジネス運営にも支障が出る可能性さえ起こりえる。

筆者が話を聞いた旅館の女将は「これまで、旅行社さんの間際キャンセルの取り消し料をどれだけチャラにしてあげたと思ってるんでしょうね。今回の補償金を旅行社さんがネコババするようなことが起きたら、もう販売契約なんて結ばない」と怒りを隠さない。

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