JR西「銀河」学生の"痛烈な一言"が開発の引き金

古い117系のスタイルを維持しつつも大変身

6 号車を先頭にして備中高梁駅に停車中の上り大阪行き。列車の車窓からこぼれ出るような灯りが人々を旅に誘う(写真:久保田 敦)
鉄道ジャーナル社の協力を得て、『鉄道ジャーナル』2020年12月号「WEST EXPRESS 銀河 憧れを引き寄せ運転開始」を再構成した記事を掲載します。

「WEST EXPRESS銀河」(以下、銀河)はJR西日本が、クルーズトレインや従来の新幹線でも昼行特急でもない「新たな長距離列車」と標榜して運転を開始した特急列車である。本来は5月8日に運転開始のはずだったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で運休が続き、GoToキャンペーンも始まり人々の動きもようやく許容されてきた9月、4カ月遅れでスタートとなった。

車両は117系を大胆に改装した6両1編成だけのため、11月末までは京都〜出雲市間を伯備線経由で週2回、京都発が月・金、出雲市発が水・土を基本とする夜行運転(上りは大阪行き)で、12月からは路線を変えて下関への昼行特急として来年3月までが予定されている。

この列車はどのような考えから生まれたのか、今年1月に吹田総合車両センターで行われた報道公開時の聞き取り取材を振り返ってみる。

車窓を眺めるゆったりした旅を提供

この列車のキーワードは、「多様性」「カジュアル」「くつろぎ」と説明された。一人旅からグループ・家族、若者からシニア、そして男女とさまざまな層に向けた設備を用意する。そして新幹線や在来の特急のように画一的なスタイルでスピードを重視してきた旅行とは異なり、また高価格のぜいたくさを売る「瑞風」や、流行のレストラン列車でなくても、ゆったり眺める車窓が最高の味わいと考え、そのような長旅が選択肢としてあるのを示すことを目指した。

カジュアル・気軽さを体現する施策の1つとして、JR西日本はネット予約システムを改修し、窓口販売でしか買えなかった個室を、サンライズを含めて「e5489」等のネット経由でも購入できるようにした。

列車名の“銀河”は、西日本に点在する魅力ある土地の集まりを銀河になぞらえたもので、それらが流れる車窓、とくに夜景を楽しむ列車として命名された。こうしたコンセプトから、車体色には往年の寝台特急を連想させる青を現代風にアレンジしたという瑠璃紺に塗られている。

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