問い合わせ殺到「インド発英国行き」バスツアー インドの旅行会社が企画、21年5月出発を予定

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インドの旅行会社が企画したデリー―ロンドン間のバスツアー(写真:Adventures Overland)

2021年5月に出発を予定する、インドのデリーから英国ロンドンに向けて走るバスツアーのプレ予約が始まった。参加料は片道2万ドル(約210万円)、全体の所要日数は70日あまりと、「団体で行くパッケージツアー」としては常識外なスケールの大キャラバンとなる。

このバスツアーを企画したのは、デリー郊外に拠点を構える「アドベンチャーズ・オーバーランド社」。今夏、バス旅のプランを発表したところ、「195もの国と地域から参加への問い合わせを受けた」という。参加費用は安いとは言えず日数も非常に長いが、参加したいと思う人々が世界中にいるというのは驚きだ。

ヒッピーの憧れルート

新型コロナ禍の最中にあって、このツアーは世界各国で高い関心を集めた。同社の説明によると、「世界の125ものメディアがツアーについて報道」「1億人以上の視聴者に情報が届いた」と、宣伝に大成功した様子がうかがえる。とくに欧州では、発表がちょうどロックダウン解除から間もない時期だったこともあり「どこかに行きたい」と考える人々を中心に話題が広がった。

こうしたバスによる大陸横断旅行はいまに始まったものではない。1960〜1970年代、既成社会の伝統、制度などといった従来の保守的な考えを否定する「ヒッピー」たちの間で、アメリカや欧州からインドやネパールを目指してバスや列車を乗り継いで旅行することが流行した。

その中で、欧州で使われていたバスをインドまで走らせながら旅行し、現地で売り払うといった「マジックバス」が数多く運行され、やがて、団体ツアーとして組織する旅行会社も現れた。インドやネパールの神秘的、宗教的なイメージも相まって、こうした旅行はいわばヒッピーの憧れルートといえる存在だった。

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