同社を運営する共同代表のサンジャイ・マダン、トゥッシャー・アガラワルの両氏はロンドンからカルカッタ(現コルカタ)やボンベイ(現ムンバイ)を目指したヒッピーらの旅に刺激を受けつつ、これまでも世界各国でクルマを使った長距離旅行を行ってきた。2013年にオーストラリアで1万7107kmを走破した際は、当時「外国1カ国を走った最も長い自動車での旅行」としてギネスブックにも掲載されたという。
両氏はさらに2017~2019年に3回、一般的な自家用車でコンボイ(隊列)を組み、インド―ロンドン間を陸路で走るツアーを実施。こうした経験から「自分でハンドルを握ってつらい思いをしたくない人々」向けに、今回のバスによる大陸横断大キャラバンの実行を目指したという。
インド―ロンドン間のバスは、現時点での計画によると、インド北部からミャンマーに入り、その後タイ、ラオスと東南アジアをかすめ、中国は雲南省に入り新疆ウイグル自治区に向け縦断。中央アジアのキルギス、ウズベキスタン、カザフスタンを経た後、ロシアを抜けて欧州に入る。そしてラトビア、リトアニア、ポーランド、チェコ、ドイツ、オランダ、ベルギー、フランスと回り、最後はドーバー海峡を渡って英国ロンドンへとたどり着く。
通過国は全部で18カ国、走行距離は2万kmに及ぶ。往路は2021年5月、ロンドン発の復路は8月に出発を予定している。
コロナ禍でも出発できるか
アドベンチャーズ・オーバーランド社によると、ツアーの定員は20人。「参加希望の声が想像以上に多いが、提供できる座席数は限られている」と説明。「必要事項をプレ予約フォームに記入して提出した参加希望者に対し、12月上旬をメドに今後の手続き詳細を案内する」と述べている。
ただ、2021年5月出発だと、コロナ禍の影響を避けることは難しいだろう。筆者が入手した、参加希望者に送付される案内状によると、「各国の観光需要はそれぞれの国内で徐々に回復中」「ワクチンが年末か年明けに実用化されることを期待しつつ、各国保健当局による感染予防規定に従うことを前提に実施を目指す」と述べ、当初予定通りのツアー実施を目指していることがうかがえる。
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