旅行会社はすでに通過する各国との調整など準備を進めているというが、そもそもこの行程での陸路による国境通過に問題はないのだろうか。
ロンドンで団体ツアー手配を行っているランドオペレーターに勤務する知人に、バスによる陸路移動の可能性について尋ねたところ、「ロシアから観光バスでロンドンまでやってくる団体もいる」「トルコや中東諸国のナンバープレートをつけてイギリスを走る車もたまに見る」といい、ロシア・中東地域からイギリスへ車で陸路移動するうえでは問題なさそうだ。
また、旅行者の陸路国境通過については、「欧州側はロシアからラトビアに入るポイントでパスポート検査を受ければ、あとはイギリス上陸時にチェックがあるだけ」と拍子抜けするほど簡単なようだ。
一方、アジアでは国境越えにそれなりのハードルがありそうだ。
ミャンマー・タイ・
問題は中国だ。中国は「自家用自動車の一時輸入に関する通関条約
日本から同じようなツアーはできる?
さて、これだけ世界中から関心を集めるのであれば、日本からこうしたツアーを計画したらどうなるだろうか。
アジア各国に拠点を持つランドオペレーター、SMIトラベルの上才泰尚アジア統括マネージャーは、「国境でそれぞれの国のチャーターバスに乗り換えれば、こうした国をまたぐツアーもできるのでは」と語る。これは、「ASEAN加盟10カ国間で車の相互乗り入れができないところがある」ためといい、こうしたところでは国境でバスの交換を行っているという。
こうしたアイデアも参考にしながら、日本から欧州へ陸路(プラス海路)で行けそうなルートについて検討してみると、もっとも簡単そうなのは「ウラジオストクへ船で行って、ロシアのナンバープレート付きのバスを使って欧州を目指す」というものだろう。中国・中央アジア経由での欧州行きなら、中国国内を移動したのち、カザフスタンやロシアなど「いくつかの国境でのバス乗り換え」が前提であれば、ロンドンへのバス旅行が実現できよう。
新型コロナウイルスの世界的な拡散により、人々が持つ基本的な権利ともいえる「移動の自由」が一気に失われてしまった。そんなさなかに構想されているインド―ロンドン間のバスキャラバン。無事に実行されれば、「旅行業界のコロナからの復活」を象徴する出来事にもなるだろう。
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