勢いに乗る婚活サイト、“すれ違う”結婚相談所--婚活ブームを享受しているのは誰か
マッチングサイトでは、概して女性より男性会員が多い。マイクロソフトの「msn」、NTTレゾナントの「goo」などいくつかのポータルサイトはmatch.comと提携しており、それぞれのサイトで「恋人探し」などをクリックすると同社のサービスへ誘導される。
日本でmatch.comを運営する「マッチ・ドットコム ジャパン」は07年に設立された(日本語サービス自体はそれ以前の02年から開始)。
足踏み状態が続く 店舗型の結婚相談所
match.comも小規模経営で、日本法人の人数は10人前後。会員数は07年71万人から08年90万人、09年100万人と拡大を続けている。
同サイトは日本で事業を開始する際、日本向けにサービスを改良した。たとえば、日本人は他国に比べ相手の身元に神経質。そのため、本人証明などの証明書提出を日本だけは義務づけた。また、日本以外では登録が必須の「宗教」の項目を外している。「日本人の心理を調査しながら運営している」と上園尊仁社長。09年6月には結婚相手探しに特化した「match.com marriage」も開設した。
それでも、「出会いや結婚への真剣な求めに、ネットサービスが提供できている部分は少ない」と上園社長は省みる。潜在的ニーズをまだ取り込みきれていないというのだ。今後は企業などとも提携し、福利厚生に同社のサービスを利用してもらうことを模索していくという。
一方、従来型の結婚相談所はこの婚活ブームを享受できているのだろうか。最大手は4万8598人(09年1月現在)の会員数を誇る楽天の子会社、オーネット。それにイオングループ傘下のツヴァイなどが続く。ネットの攻勢に、“リアル”の結婚相談所はどう対抗しているか。
会員数3万9000人を擁するツヴァイ(10年2月末推定)。10年2月期の売上高は約45億円、営業利益は6億円強と、ともに1%強の上乗せにとどまりそうだ。5年前の05年2月には4万人を超えていた会員数からは5%近く減っている。