実例で学ぶ「売り上げを伸ばす」デザインの凄技 センスだけに頼らない「書体」と「色彩」の使い方

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さらにわかりやすいのは、欧文(アルファベット)の書体です。

左は歴史物の映画タイトルの雰囲気、右はノスタルジックなイメージ(画像:筆者提供)

左は「トレイジャン(Trajan)」という、句碑に刻まれた書体デザインをコンピューター上で復刻したセリフ書体です。「洗練された荘厳」と「スケール感のある」ハリウッドの歴史ものの映画タイトルのような雰囲気になります(実際にトレイジャンを使用した映画のタイトルは多いです)。

右は「フランクリンゴシック(FranklinGothic)」という「古典的な」「力強さを持つ」「アメリカのイメージ」を表現できるゴシック体(「サンセリフ」ともいう)。山あいの夕暮れに染まるベンチのある風景は、古き良き時代の物語のワンシーンのようにノスタルジックなイメージです。

トレイジャンもフランクリンゴシックも共通していることは、機械に頼らず人間が手描きでデザインしているため、ヒューマニティの訴求、つまり、情緒的なコンテンツに向いています。

「どんな世界観を作り上げるのか」を決める

書体を選ぶ際に気をつけたいことは、書体の思想や哲学面をチェックし、どのような「世界観を作り上げるのか」を意思決定することです。そのためにはまず、

  • ①ゴシック体(サンセリフ)か、明朝体(セリフ体)か
  • ②デザインのベースにある価値観
  • ③その書体を使っているブランド
  •  

を調べます。そのあと、

  • ④有料か、無料か
  • ⑤太さは、十分にあるか
  • ⑥格納されている文字数
  • ⑦多言語化は可能か
  • ⑧大手のベンダーが扱っているか。あるいは、デザイナーが推しているか
  •  

など、その書体が機能的に優れているか、をチェックしましょう。どのような「世界観を作り上げるのか」については、もちろんあれもこれもと欲張ることは無意味であり、一点に絞る必要があります。

逆にもしもあなたが、たった一つの世界観をまだ探し当てていない、あるいは確信が持てていないというのであれば、気になる書体のデザインでサンプルをいくつか組んでみて、心の声を聞いてみるというか、しっくりくるものに絞るという方法もあります。

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